印刷 | 通常画面に戻る |

中国の戦国時代、七雄の一つ。現在の河南省西部、山西省を支配。

戦国時代に黄河の中流南岸、現在の河南省西部と、山西省の一部を支配。春秋時代のの家臣であった韓氏が自立し、前403年に魏・趙とともにその地を三分した。これが戦国時代の始まりであった。前4世紀中頃、申不害が宰相となって国力は上がり、戦国の七雄の一つとされるが、前230年、に滅ぼされる。

Episode 壮絶なテロリスト

 戦国時代の数ある暗殺事件にこのような話がある。聶政(じょうせい)は韓の出身であったが殺人事件をおこしたため老母と姉を連れて逃亡、斉の国に隠れ住んでいた。そこに本国の宰相侠累と対立していた厳仲子があらわれ、母堂のために使ってほしいと大金を差し出した。驚いた聶政はその申し出に感謝したが、大金は受け取ろうとしなかった。やがて老母がこの世を去り、服喪期間が過ぎると、今こそ厚意に報いる時が来たと厳仲子を訪ね、侠累殺害を引き受けた。単身韓の役所に乗り込んで侠累を刺殺、大騒ぎになるなか、聶政は自分の顔の皮を剥ぎ、目玉をえぐり取り、腹を切って腸をつかみ出して死んだ。家族に迷惑がかかるのをさけ、身元がわからないようにしたのだ。韓の当局はその屍をさらし、懸賞金をかけて身元をさがした。すでに嫁いでいた聶政の姉の聶栄は、噂を聞いてこの無名のテロリストが自分の弟に相違ないと直感、韓に行って屍と対面し、とりすがって号泣、大声で三度、天に向かって叫び、悲嘆のあまりその場で息絶えた。<井波律子『裏切り者の中国史』1997 講談社選書メチエ p.40>
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第2章3節 エ.春秋・戦国時代