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唐詩

中国における漢文による文芸。魏晋南北朝から唐にかけて大いに発展し多くの名詩が生まれた。その背景は科挙の進士科で作詩能力が問われたことである。

 『詩経』・『楚辞』以来、発展した詩は、魏晋南北朝時代の六朝文化において陶淵明などが出現して中国文学の最も発展した分野となった。そして中国文学史の柱として、「唐詩」・「宋詞」・「元曲」と言われるように、唐の文化の中では詩が他のジャンルを圧倒して質量ともに黄金時代を迎えた。『全唐詩』所載の作品は5万首に近く、作家の数は二千三百余名に達する。唐詩の隆盛の理由は、科挙進士科の試験科目に詩の創作が課せられていたからであり、その作家の多くは、六朝時代の特権的貴族階級ではなく進士出身の知識人官僚であった。
唐の三百年間の詩の歴史は、初唐・盛唐・中唐・晩唐の四期に分けられのが通説となっている。
・初唐:唐成立(618年)から太宗の貞観の治を中心に、高宗・則天武后の時代の約100年(ほぼ7世紀)
・盛唐:玄宗の開元元年(713年)から安史の乱の終了後の765年まで約50年間(ほぼ8世紀前半):代表的詩人には、王維李白杜甫がいる。
・中唐:安史の乱終了後(766年)から敬宗の宝暦2年(826年)まで約60年間(8世紀後半~9世紀初頭):代表的詩人に白居易韓愈柳宗元がいる。韓愈と柳宗元は古文復興を提唱した。
・晩唐:文宗の太和元年(827年)から唐の滅亡(907年)まで約80年間(ほぼ9世紀)
<松枝茂夫編『中国名詩選』中 p.25-26 岩波文庫 1984 など>
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第3章2節 イ.唐の制度と文化