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五行

イスラーム教徒の信仰上の五つの義務。

 イスラーム教の信者、イスラーム教徒(ムスリム)の信仰上の六信とともに義務とされる信迎告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼の五つの具体的な行いを言う。コーランに定められるムスリムが行うべき儀礼的規範が五行である。
  • 信仰告白とは、ムスリムとしての最小限度の信条として「アッラーのほかは神はない、ムハンマドはその使徒である」を告白すること。
  • 礼拝は、神の唯一性を体で表すことで、定まった動作を通じ、神と向き合うことである。夜明け前、正午少しすぎた頃、午後、日没後、夜の5回行われる。礼拝の行われる場所をモスクと言い金曜日には集団礼拝をする。
  • 喜捨は貧しい人や旅人に自分の財を与えることで、どん欲に打ち勝ち身を浄める行為とされる。
  • 断食はヒジュラ暦第9月のラマダーン月に、病人、旅人、子供などをのぞき、日の出から日没まで一切の飲食を断ち、禁欲することが義務とされる。断食明けには祭りになる。
  • 巡礼は、ヒジュラ暦第12月に行われる、メッカカーバ神殿、さらにメディナのムハンマドの墓へお参りすることで、少なくとも一生に一度は義務とされる。
※実際のイスラーム世界で、礼拝・断食・巡礼などがどのように行われているか、については片倉もとこ『イスラームの日常生活』<1991 岩波新書>の報告が参考になる。  → イスラーム法/シャリーア
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書籍案内

片倉もとこ
『イスラームの日常生活』
1991 岩波新書