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岩のドーム

イェルサレムのモスク。神殿の丘のある。ムハンマドの昇天伝説の地に建てられ、イスラーム教の聖地とされている。

 イェルサレムにある、イスラーム教のモスク。「ウマル=モスク」ともいう。イェルサレム旧市街の「神殿の丘」(ユダヤ教の聖地ヤハウェ神殿跡でもある)にあり、ドームの中央にある岩は、ムハンマドが天国に旅立った場所とされ、イスラーム教ではメッカ、メディナに次いで第三の聖地とされている。
 638年、アラブのムスリム軍がイェルサレムを征服したとき、カリフのウマルはみずからこの地を訪れ、土中から聖なる岩を見つけ出して礼拝した。その後、ウマイヤ朝カリフのアブド=アルマリクの命令によって、691/2年に岩を覆うモスクが建設された。その後何度か改修されているが、イスラーム世界最古の建造物として貴重である。8角形のプランを持ち一辺の長さは20m、ドームの高さは35m。黄金にかがやくドームの屋根が、ひときわ目立っている。

Episode ムハンマドの「夜の旅」

 「コーラン」第17章1節に見られるムスリムの伝承によれば、ムハンマドはある夜、メッカからイェルサレムまで、天馬ブラークに乗って旅をし、そこから天にのぼって神の声を聞き、その玉座の前にひれ伏したという。天に昇るときに足をかけた石が、ドームに覆われている聖石であり、その表面にはムハンマドの足跡が残っていると信じられている。この伝承によってイェルサレムはイスラーム教徒にとって、メッカ、メディナにつぐ第三の聖地と定められた。アブド=アルマリクによる岩のドームの建設は、カリフの権威を高めるだけでなく、信仰の新しい中心を生み出す役割も果たした。<佐藤次高『イスラーム世界の興隆』世界の歴史8 中央公論社 p.114>
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ノートの参照
4章4節 ウ.学問と文化活動
書籍案内

佐藤次高
『イスラーム世界の興隆』
世界の歴史8
1971 中公新書