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ジェンナー

18世紀末、種痘法を発見したイギリスの医者。

 ジェンナーは1749年、イギリスのバークリーで牧師の子として生まれ、ロンドンで医学の修行をして地元で開業した。当時は天然痘は死亡率の高い伝染病として恐れられ、有効な治療用や予防法がなかった。ジェンナーは牛痘に感染した人が天然痘に罹らないことに着目し、20年間熟考した末、1796年に天然痘菌を接種して、発病しないことをつきとめた。免疫をつくり発病を予防するという種痘法は当時の医学界では受け容れられなかったが、ジェンナーは多くの接種を重ねて有効であることを実証し、ようやく1802年に認められた。 → 科学革命

Episode 種痘の原理の発見

 イギリスのグロスターシャー州では乳搾り女たちがよく牛痘にかかったが、彼女たちはけして天然痘にはかからないことが知られていた。ジェンナーは、りんごの頬をしたグロスターシャーの乳搾り女が牛乳桶ごしに、「いいえ、めっそうもありません。私は牛痘に罹っているので天然痘に罹ることはできません」と彼に言った時、種痘の原理を発見した。1796年5月14日の土曜日に、セバーン河畔の村バークレーのエドワード・ジェンナー医師は、牛痘に罹っている百姓の娘サラ・ネルムスから膿をとり、8歳の少年ジェイムズ・フィプスの腕に半インチ(1.3㎝)の軽い二本の擦り傷をつけて膿を移した。7月1日にジェンナーは人痘の膿をフィプスにつけて皮膚を引っ掻いたが、フィプスは天然痘に罹らなかった。数ヶ月後に人痘膿による接種を繰り返したが、何も起こらなかった。ジェンナーは種痘予防接種を発明したのである。ジェンナーは、この膿を接種する考えを実行に移すまで20年間熟考した。彼は医師懇親会でその話しばかりして皆にうんざりさせ、嘲笑され続けていた。<ゴードン『歴史は病気で作られる』p.72-77>
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ノートの参照
9章3節 ア.科学革命と近代的世界観
書籍案内

リチャード・ゴードン/倉俣トーマス旭・小林秀夫訳
『歴史は病気で作られる』
1997 時空出版