印刷 | 通常画面に戻る |

科学革命

17世紀、ヨーロッパの主権国家形成期に自然科学が急速に進歩し、近代の科学の発展を準備した。

 17世紀のヨーロッパにおいて、自然科学の研究は著しく変化した。それまでも自然科学と言われるものが存在していなかったわけではないが、それは錬金術のようなことからおこった即物的な技法や、せいぜいアリストテレス的な自然をそのまま観察して理屈を導く出すことに留まり、カトリック教会の超自然的な世界観を克服することは出来なかった。ところがルネサンス宗教改革に伴ってそれまでの神中心の世界観の重しが取り除かれ、大航海時代の展開によって圧倒的な知識情報量の増大がもたらされ、また主権国家間の抗争は戦争を通じて新たな科学技術の開発に迫られたという背景もあって、17世紀の自然科学の革新がもたらされた。まさに「17世紀の危機」が「科学革命」の舞台となった、と言うことが出来る。また文化史上は、バロック美術といわれる新しい文化が各国の宮廷を中心に開化した時代でもあった。
 それ以前の科学に対し、何が変わったのかというと、一つは望遠鏡、顕微鏡などの用具の発明に伴う観察・実験という方法論の精密さが実現したこと、数学が自然現象の理論付けに用いられるようになった、ということであろう。その先駆的な役割を果たしたのがケプラーガリレオ=ガリレイデカルトなどであり、17世紀の科学を体系づけたのがニュートンであったといえる。ケプラーは惑星の運行の法則を発見、ガリレオは望遠鏡による天体の観測によって地動説を証明し、物体落下の法則を実験と数学的公式化の道を開き、デカルトは真理の探究での数学的合理論の基礎を探求した。ニュートンは微分積分という新しい数学を創出し、ニュートン力学という、20世紀の原子物理学が出現するまでの自然科学の基本体系をつくりあげた。ヨーロッパの科学史の人物、発見、研究に関しては小山慶太『科学史年表』中公新書が便利である。
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
9章3節 ア.科学革命と近代的世界観
書籍案内

小山慶太
『科学史年表』
中公新書