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海底電信ケーブル

1851年のドーヴァー海峡が最初。大西洋には1858年にいったん開通したが中断し、1866年に再び成功した。

 海底電信ケーブルで離れた陸地間を結ぼうというこころみは、ゴムを絶縁体にすることで可能となり、1851年のイギリス・フランス間のドーヴァー海峡に敷設されたことから始まった。続いて、ヨーロッパとアメリカ大陸を隔てる大西洋に電信ケーブルを敷設する計画が、ニューヨークの若い実業家サイラス=W=フィールドという人物によって始められた。1857年に事業は開始され、何度かの失敗の後、1858年7月28日、大西洋上で両側から引かれてきたケーブルをつなぎ、敷設に成功した。翌月にはヴィクトリア女王からのメッセージが電信でアメリカに届き、アメリカ中が沸き返り、フィールドは一躍時の人となった。しかしまもなく電信は途絶えてしまった。全く面目を亡くしたフィールドだったが、数年の沈黙の後、大型の敷設用の船を建設して再びケーブルの敷設に乗り出し、1866年に成功させた。<ツヴァイク『歴史の決定的瞬間』「大洋をわたった最初の言葉」に詳しい。>
 英仏海峡に最初の海底通信ケーブルが敷設された1851年はロンドン万国博覧会が開催され、トマス=クックが旅行社を創設し、ロイターがロンドンにロイター通信を創業した年であり、イギリスのヴィクトリア朝の近代文明が世界をリードした年であった。
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ノートの参照
第12章4節 ウ.科学・技術と市民生活
書籍案内

ツヴァイク/辻ヒカル訳
『歴史の決定的瞬間』
1997 白水社