モーセ・十戒
モーセは伝説上のヘブライ人の民族指導者で預言者。出エジプトを指導してシナイ山でヤハウェ神から十戒を授けられた。
モーセは英語表記では Moses で、一般にモーゼという場合も多い。ユダヤ教の聖典であり、キリスト教でも聖典とされる『旧約聖書』で、ヘブライ人(ユダヤ人)の「出エジプト」を指導し、シナイ半島のシナイ山で神ヤハウェから十戒を授けられたとされている預言者である。イスラエルの民とユダヤ教ではアブラハムなどとともに最も重要な人物とされている。
モーセは実在したか 出エジプトの指導者モーセ(ヘブライ語で「モーシュ」)であるが、聖書以外の史料にはその名は現れず、その実在は疑わしい。しかし、最近の研究ではモーセという名はヘブライ系ではなくエジプト系の人名であり、「これは、古代の架空の人物の命名法としてはうまくできすぎている。それゆえ、エジプトを脱出したグループの指導者にこの名の人物がいたと言うことは、歴史的にも十分ありうることと考えられる。」<山我哲雄『聖書時代史・旧約編』2003 岩波現代新書 p.30>
1.汝は私の他に、何者をも神としてはならない。
2.汝は自分のために刻んだ像を造ってはならない。
3.汝は、汝の神・主の御名をみだりに唱えてはならない。
4.安息日を覚えて、これを聖とせよ。……
5.汝の父母を敬え。
6.汝殺すなかれ。
7.姦淫をしてはならない。
8.汝盗むなかれ。
9.隣人について偽証してはならない。
10.汝の隣人の家をむさぼってはならない。」
この第1条に一神教の原理、第2条に偶像崇拝の禁止、というユダヤ教の特徴が現れている。
モーセは実在したか 出エジプトの指導者モーセ(ヘブライ語で「モーシュ」)であるが、聖書以外の史料にはその名は現れず、その実在は疑わしい。しかし、最近の研究ではモーセという名はヘブライ系ではなくエジプト系の人名であり、「これは、古代の架空の人物の命名法としてはうまくできすぎている。それゆえ、エジプトを脱出したグループの指導者にこの名の人物がいたと言うことは、歴史的にも十分ありうることと考えられる。」<山我哲雄『聖書時代史・旧約編』2003 岩波現代新書 p.30>
十戒
ヘブライ人を率いて「出エジプト」の途上にあったモーセが、シナイ半島のシナイ山で、ヤハウェ神から授けられた戒律。旧約聖書の『出エジプト記』第20章にある。「十戒」(Ten Commandments)は以下の10ヶ条からなる。1.汝は私の他に、何者をも神としてはならない。
2.汝は自分のために刻んだ像を造ってはならない。
3.汝は、汝の神・主の御名をみだりに唱えてはならない。
4.安息日を覚えて、これを聖とせよ。……
5.汝の父母を敬え。
6.汝殺すなかれ。
7.姦淫をしてはならない。
8.汝盗むなかれ。
9.隣人について偽証してはならない。
10.汝の隣人の家をむさぼってはならない。」
この第1条に一神教の原理、第2条に偶像崇拝の禁止、というユダヤ教の特徴が現れている。