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パーラ朝

8~12世紀、インドのベンガル地方を支配した王朝。インドで仏教を保護した最後の王朝。1203年、イスラーム教国ゴール朝によって滅ぼされた。

パーラ朝
パーラ朝(8~12世紀)
 8世紀半ばから12世紀、インドベンガル地方(ガンジス川中下流域。現在のインド東部とバングラデシュ)を支配した王朝。8世紀末に強大となり、ガンジス上流域のプラティハーラ朝、デカン高原のラシュトラクータ朝との三者で激しく争った。 → ラージプート時代

仏教の最後の保護者

 パーラ朝第2代の王ダルマパーラ(在位770~810、ゴーパーラともいう)は仏教を保護し、ヴィクラマシー僧院を創設するとともに、ナーランダー僧院を復興させた。ナーランダー僧院はインド仏教教学の中心として多くの学僧を集めていたが、さらにダルマパーラ王はその東方180kmの地に、当時盛んになった仏教の一派タントラ派(密教)の総本山としてヴィクラマシラー僧院を建立した。ヴィクラマシラー僧院にはインドだけでなく、チベット・ネパール・東南アジア諸国からも僧が訪れた。そのため、この時期の仏教美術はパーラ様式とも言われ、チベットや東南アジアにも大きな影響を与えている。
 しかしパーラ朝は仏教が最後の保護を受けた時期となった。1203年、アフガニスタンから侵攻したイスラーム教国ゴール朝の軍隊によってヴィクラマシラー僧院、ナーランダー僧院が破壊され、インドにおける仏教の繁栄は終わった。(パーラ朝の滅亡は1199年とすることもある。)

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