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春秋

中国の孔子の著作とされる春秋時代の年代記。

 五経の一つ。孔子が編纂した、春秋時代の諸侯の一つ国の年代記であり、編年体のスタイルをとる。記述は隠公の元年(西暦紀元前722年)から、哀公14年(紀元前481年)までで、この年代記に記された時期を「春秋時代」という。

『春秋』の解釈

 『春秋』は、孔子の著作とされたので、儒教では特に大切な書物と考えられ、その記述から孔子の真の意図を探ろうとして幾つかの解釈書が作られた。そのうち、『春秋公羊伝』(くようでん)は文章の言外に孔子の批判的見方を探ったもので、漢代に重んじられた。『春秋左氏伝』(さしでん)は史実をよく伝えるものとして実証的な学問が盛んになった後漢以降に重んじられた。これに『春秋穀梁伝』(こくりょうでん)を加えて、春秋三伝という。清で盛んになる公羊学派は、この『春秋公羊伝』のなかに、最も典型的に改革者としての孔子の理念が述べられていると考えた学派である。
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