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禁軍

宋の皇帝直属軍。節度使の力を弱めるために置かれた。

 宋(北宋)の皇帝直属軍(近衛軍)で、枢密院の管轄下にあった軍隊。五代十国の混乱を収めた宋の太祖趙匡胤は、なによりもまず唐末以来の節度使の軍事・政治上の権限と力を解体することをめざした。そのために軍事力は皇帝直属の禁軍に一本化し、枢密院の管轄とした。
 趙匡胤自身も節度使出身で後周の近衛軍指揮官を兼ねることによって中央で権力を獲得できたのであるが、今度はそのようなことが起きないように、まず節度使と禁軍指揮官の兼任を解き、節度使指揮下の軍人を禁軍に引き抜き、機会あるごとに節度使を辞めさせ、欠員が出ると文官を派遣して地方政治にあたらせた。こうして節度使の力を奪っていった。禁軍のなかで辺境の防備にあたるものを屯駐禁軍・駐泊禁軍などといったが、その兵力は民兵の募集したもので、数は増えたが外敵に対抗できるものではなかった。<周藤吉之/中嶋敏『五代と宋の興亡』講談社学術文庫 1974 p.75-82>
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書籍案内

周藤吉之/中嶋敏
『五代と宋の興亡』
講談社学術文庫 1974