りくきゅうえん。陸象山ともいう。12世紀後半、
南宋の
朱熹(朱子)と同時代の儒学者で、その論争相手として有名。陸九淵の思想は「
心即理」に集約される。かれは朱子の「
性即理」が心を「性」と「情」の二面からなり、そのうちの性を重視したのに対し、性と情は分析できず、渾然一体の物として理解すべきであり、それがそのまま理(宇宙の根本原理)であると主張した。その思想は、朱子の学説に対する反論として重要であったが、宋学の主流が朱子の学説によって占められることとなり、ようやく明代に
王陽明よって取り上げられる。 →
宋代の文化