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宋代の文化

中国の文化史の中で革新的な動きがあった宋代の文化。

 宋代(北宋から南宋まで)の文化をまとめると次のような特徴がある。
  1. 革新的な文化 唐までの漢文化の伝統を継承しながら様々な分野で革新的な動きが見られる。その最も顕著なものが儒教に置ける宋学(朱子学)の登場である。絵画では文人画がそれにあたる。
  2. 国際性の希薄化 宋代では唐の文化の国際性は希薄となり、より民族主義的、国粋的な傾向が強まり、唐後半から興った古文復興運動もそのような傾向に合致していた。
  3. 士大夫を担い手とした文化 唐までの文化を支えた貴族階級は没落し、代わって台頭した士大夫と言われる新興地主層で儒教を身につけた知識人が科挙に合格して官僚となり、文治主義のもとで政治・経済・文化の中核となった。
  4. 庶民文化の始まり 宋文化の主な担い手は士大夫であるが、雑劇のような庶民文化が興った。また仏教では官僚層には禅宗が支持されたのに対して、民間には浄土宗が広がり、木版印刷による出版など文化の受容は庶民層にまでひろがった。また華北の金の支配領域では儒教・仏教を取り入れた道教の新しい動きとして全真教が成立し、それに対して宋の支配領域では正一教が道教の正統を主張した。
  5. 宋代の三大発明 生産力の発展、経済の成長を背景として、実用的な技術の開発が進み、羅針盤火薬活版印刷三大発明があった。


三大発明

一般に、中国の宋代におこった、羅針盤・火薬・活版印刷の三つの発明をさす。

 中国の宋代(北宋から南宋まで)には、羅針盤火薬活版印刷の三大発明がもたらされた。 → 宋代の文化
 これらは、いずれも中国の長い文化、技術の継承を基盤として、この時代の生産力の発展、経済の成長が要因となって興った技術の革新と考えられる。いずれも、革新的と言うより、それ以前にあった技術に実用的改良を加えたものと言うこともできるが、ヨーロッパに先立ってこのような技術革新が成されていたことに注意しておこう。なお、宋以前の中国文化を視野に入れて、中国に始まった技術として製紙法を加え、四大発明という場合もある。
 これらは後にイスラーム世界を経由してヨーロッパに伝えられ、ルネサンスに影響を及ぼした。そしていずれの技術もヨーロッパで改良が加えられ、より実用力を高め、近代以降の宗教改革の時代、科学革命の時代、産業革命の時代、そして近代国家(主権国家)間の軍事革命の時代、などの新たな時代の様相をもたらすこととなった。
・羅針盤 → 遠洋航海術  大航海時代
・火薬 → 火砲
・活版印刷 → グーテンベルク  宗教改革
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