蒸気船
蒸気機関を推進力とした船舶。1807年、フルトンが初めて実用化した。それまでの帆船に代わって海上での交通革命が起こり、1820年代に軍艦も蒸気船に代わった。
産業革命の重要な発明。蒸気機関を船舶の推進力にしようというアイデアは何人かが試みているが、その実用化に最初に成功したのがアメリカ人のフルトンだったので、彼が“蒸気船の発明者”とされている。この蒸気船はクラーモント(クレアモント)号と名付けられた、全長40m、150トンの外輪船で、1807年8月にニューヨークとオルバニー間のハドソン川を時速4ノットで往復した。<『世界史を読む辞典』朝日新聞社 p.575,722>
当初は蒸気力を補助的に使用する外輪船で、併せて帆走もできるものであったが、風に依存しなくとも進むことが出来るので、大きな進歩だった。蒸気船は急速に普及し、12年後の1819年8月には補助的ではあったが蒸気機関を積む船が大西洋を横断、1838年には大西洋横断の定期船も就航した。また蒸気船は軍艦にも利用されるようになり、帆船と併用されるようになった。
当初は蒸気力を補助的に使用する外輪船で、併せて帆走もできるものであったが、風に依存しなくとも進むことが出来るので、大きな進歩だった。蒸気船は急速に普及し、12年後の1819年8月には補助的ではあったが蒸気機関を積む船が大西洋を横断、1838年には大西洋横断の定期船も就航した。また蒸気船は軍艦にも利用されるようになり、帆船と併用されるようになった。
帆船から蒸気船へ
ナポレオン戦争までは帆船のみであった海戦は、1827年のギリシア独立戦争の時のナヴァリノの海戦を最後に姿を消し、19世紀後半は蒸気船が主力となった。同時にその燃料としての石炭が大量に必要となり、大洋を航海する際にはその補給地が必要になってきた。アメリカが日本に開国を要求したのには、捕鯨船の石炭や水などを補給する必要という側面もあった。出題
東京大学 2003 (交通機関の発達に関連して)「1807年に、北米のハドソン川の定期商船として、世界で初めて商業用旅客輸送汽船が建造された。これを建造した人物の名を記せ。また1819年に、補助的ではあったが蒸気機関を用いてはじめて大西洋横断に成功した船舶の名称を記せ。
解答
→ フルトン サヴァンナ号
解説:フルトンはアメリカ人の技術者。ワットの蒸気機関を応用して、1807年に外輪船クーラモント号を建造。ニューヨーク・オルバニー間の約240kmを32時間で航行し、商業旅客を開始した。サヴァンナ号は、1819年にアメリカ東海岸のサヴァンナからイギリスのリヴァプールまで、27日と11時間で航海した。しかし、実際に蒸気力を用いたのは85時間だけで、大半は帆走であった。大西洋に定期航路が開設されたのは1838年。当初はやはり外輪船であった。1853年、浦賀にやってきたペリー艦隊の黒船も外輪船。スクリューで推進する本格的蒸気船が実用化されるのは19世紀後半から。