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リッチモンド

アメリカ合衆国ヴァージニア州の州都。南北戦争の時期、アメリカ連合国=南部の首都となった。

リッチモンド GoogleMap

 アメリカでも古い都市のひとつで、1607年のヴァージニアのジェームズタウンとほぼ同じ頃、イギリスからの入植者が建設した都市。1861年に始まった南北戦争で、アメリカ合衆国から分離したアメリカ南部の諸州が結成したアメリカ連合国(南部連合)の首都となった。アメリカ連合国は当初、当初はアラバマ州のモントゴメリを首都としていたが、に置かれていたが、間もなくこのリッチモンドに移され、アメリカ連合国大統領ジェファソン=デヴィスが執務に当たった。1865年、リッチモンドは北軍の総攻撃を受けて陥落、南軍の敗北となって終わった。リッチモンドはその後もタバコなどの南部の産業の中心都市、ヴァージニアの州都として続いている。

NewS アメリカ連合大統領デービスの像、破壊される

 2020年5月25日、アメリカのミネアポリスで起きた白人警官による黒人容疑者に対する過剰な制圧で黒人ジョージ=フロイドが死んでから、アメリカ各地で抗議行動が持ち上がった。それはアメリカに留まらず、全世界に波及、黒人差別の歴史的な原因である黒人奴隷制度にかかわる歴史的モニュメントの破壊という動きが強まっている。
 アメリカでは奴隷制維持を掲げて合衆国から分離独立したアメリカ連合国(南部)の大統領であったジェファソン=デヴィスの銅像、さらに南軍の指揮官だったリー将軍の銅像が引き倒される、という事態になっている。南北戦争期の南部の首都であったリッチモンドには、その歴史的建造物や記念碑が、奴隷制によって栄えた南部の歴史を顕彰するものと捉えられ、黒人や人種差別反対を掲げる運動の攻撃目標とされている。リンカンの奴隷解放宣言から150年以上経っているが、アメリカはまだ歴史の決算が終わっていない、と言うことであろう。
 → AFP-BB ニュースサイト
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