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第12章 欧米における近代国民国家の発展

3 アメリカ合衆国の発展

Text p.249

ア.領土の拡大 用語リストへ
A 民主主義の発達と大国化の始まり
ジェファソン

 ジェファソン  

 ジェファソン  b 反連邦派 を結集して リパブリカン党 を結成。
・1800年 第3代大統領に当選(~09)。州の自治権の拡大し、民主主義が発達する。
・1803年 フランス(第一統領c ナポレオン )からd ルイジアナ を買収。
 ※補足:
 アメリカ=イギリス戦争  1812~14年 第2次独立戦争とも言う。
・アメリカ政府、独立後の外交姿勢はa 孤立主義 を採り中立を維持。
・ヨーロッパのb ナポレオン戦争 でも中立を守る。 → 貿易の利益増大。
  → イギリスが海上封鎖でアメリカの通商を妨害したため、開戦。
    イギリス軍、一時首都ワシントンを占領。アメリカ軍反撃して、勝敗なしに終わる。
・影響 c イギリス工業製品の流入が止まったためアメリカ独自の工業化始まる。  
  → d 木綿工業 を中心にアメリカのe 産業革命 始まる。
 モンロー教書 
・1823年 第5代大統領 a モンロー (リパブリカン党)が発表。(前出)
  内容 b アメリカ大陸とヨーロッパ諸国の相互不干渉を宣言 
  背景 c ウィーン体制 下のヨーロッパ旧君主国(神聖同盟諸国)がアメリカ大陸への
     干渉が強めていたこと。d ロシア がアラスカから南下の動きを示していたこと。
  ねらい:ヨーロッパ諸国のe ラテンアメリカの独立 への干渉の排除。
      同時に、南北アメリカに対するアメリカ合衆国の支配権の確立。
  意義:これ以後のアメリカの外交政策の基本=孤立主義(f モンロー主義 )を明確にしたこと。
 ジャクソン民主主義  
・1829年~ 第7代大統領a ジャクソン 。西部出身。米英戦争を勝利に導き名声あげる。
  → 白人の小農民・小市民を主体の支持を受け、資本家を抑え、庶民の立場に立つ。
・アメリカ型政党政治 = ▲b スポイルズ=システム の成立。
  大統領選挙で勝った党派の者に政府の官職を与えるスタイルが始まる。
・アメリカの二大政党の形成
  反ジャクソン派はc ホイッグ党 (北部を基盤)結成 → 後のd 共和党 
  ジャクソン派はe 民主党 (南部を基盤)を結成。 → アメリカの2大政党成立。
 領土の拡大 
・1819年 スペインからa フロリダ を買収
・1840年代 b 「明白な天命」 (マニフェスト・ディスティニー)の思想広まる。
  意味=c アメリカの西方への領土拡張は神から与えられた使命であると考える思想。 
・1845年 c テキサス  併合 ← 1936年 アメリカ系移民が独立宣言。
・1846年 d オレゴン  併合 北緯49度をカナダとの国境とする。
・1846~48年 e アメリカ=メキシコ戦争  
  → ニューメキシコ・f カリフォルニア を獲得
・g 1848 年 カリフォルニアで金鉱発見、移民が殺到する。=h ゴールドラッシュ 起きる。
  → 人口が急増し、1850年に州に昇格。

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 西漸運動 
・東北部の商工業の発達 → 西部の開拓の進展 西部への人びとの移住
  → 文明地域と未開拓地の境界地帯=辺境(a フロンティア )の西への移動。
  → 新天地での自主独立、自衛意識の強い実力主義の気風が成立。
・b インディアン を圧迫。
 1830年 ジャクソン大統領 c 強制移住法 制定。
  → ミシシッピ川以西のd 保留地 に移される。「 涙の旅路 」と言われる。
  → インディアン人口減少。白人植民開始時 100万人→1890年には25万人。
アメリカ合衆国の領土拡張
アメリカの領土拡張
年代は、合衆国の領土に編入された年代。点線は南北戦争の境界線。赤線は現在の州境。
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イ.南北戦争 用語リストへ
 南部と北部の対立 
・南部:18世紀末  ホイットニー の綿繰り機の発明
  → a 綿花プランテーション で綿花生産増大 → 英国に輸出。(前出)
  = b 奴隷制の存続 ・c 自由貿易 ・d 州の自治権の強化 を主張。
  → e 奴隷州 11州におよぶ。
・北部:産業革命の進行 → 資本主義が発展 → イギリスの工業と対抗。
  = f 保護関税政策 ・g 連邦主義 ・h 奴隷制度反対 を主張。
  → i 自由州 11州

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→ 西部開拓で新しい州ができると奴隷州とするか自由州とするかで両者が激しく争う。
 ミズーリ協定  1820年 同地が州に昇格する際に成立した協定。
・内容 a ミズーリ州は奴隷州とするが、北緯36度30分以北には奴隷州を作らない。 
  → 双方の州の一を一致させるため、メイン州を新設しb 自由州 とする。
・1850年 カリフォルニア、自由州として成立。南部の不満解消のため逃亡奴隷取締法制定。
・1854年 c カンザス・ネブラスカ法 :北緯36度30分以北にある両准州について、
       自由州にするか奴隷州にするかを住民が決定する、となった。 →両派の対立再燃。
  → ホイッグ党を中心にd 共和党 結成。奴隷制反対を主張。
  このころ、 ストウ夫人 がe 『アンクル=トムの小屋』 を発表し、奴隷制を批判。
 1859年 奴隷制廃止を訴える ジョン=ブラウンの蜂起 おこる。捕らえられ処刑される。
 南北戦争   (Civil War)
奴隷解放宣言

 奴隷解放宣言  

・1860年 共和党のa リンカン が大統領に当選。奴隷制不拡大、連邦制を掲げる。
  → 翌年 南部11州 b アメリカ連合国 を結成し合衆国から分離。
       首都リッチモンド 大統領c ジェファーソン=デヴィス 

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・1861年 戦闘始まる。初めd リー将軍 の指揮の南軍が有利。
 1862年 リンカン大統領、e ホームステッド法 を制定。
   = 公有地を5年間定住し開墾したら160エーカーを無償で給付する自作農創設法。
  → 西部の農民の支持 → 北部有利になる。
・1863年1月1日 a リンカン 大統領 f 奴隷解放宣言 を公布。
  同  年 g ゲティスバーグの戦い で北軍勝利。
      11月19日 リンカンの演説 h“ 人民の、人民による、人民のための政治  
  → i グラント将軍 指揮のもと、北軍優位に。
 1865年 リッチモンド陥落。南軍降伏。
 ※補足:
 意義 j アメリカの統一の強化、資本主義経済の発展の基盤できる。 
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ウ.工業国アメリカの誕生 用語リストへ
・南部の復帰と黒人差別問題
 奴隷制の廃止  
・1865年 a 憲法修正第13条  奴隷解放宣言を明文化。
  = 解放黒人にb 投票権 付与。
  → 黒人奴隷は法的には解放され自由となったが、実質的な人種差別は根強く残る。
 南部諸州の復帰  
・憲法修正第13条を承認することを条件に、1877年までに南部諸州が復帰。
 → 解放された黒人、a シェアクロッパー (分益小作人)となり、貧困続く。
 南部での黒人差別復活 
・1890年代から南部諸州でa 黒人取締法 制定され、差別が復活。
 → 南部の没落した旧大農園主(プランター)・産業資本家ら、b 民主党 を支持、
   北部のc 共和党 政府に反抗。 →「堅固な南部」形成。→ 黒人に対する暴行が続く。
・反黒人組織d クー=クラックス=クラン(KKK) (1865年結成)の活動広がる。
・黒人差別問題はさらに続く。背景= 黒人の貧困。
 黒人は▲e ジム=クロウ といわれ、南部各地でf 黒人分離政策 が合法化される。
 → 19世紀末からg 公民権運動 が起こる。
・西部の開拓と工業の発展
 フロンティアの消滅 
・1860年代 西部の金銀採掘の鉱山街建設(ネヴァダ、コロラドなど)。

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・牧畜業の繁栄 → カウ・ボーイによる牛の ロング=ドライブ で東部に供給。
・1870年代 農業技術の進歩、機械化 → 大平原へ農業進出 → 世界一の小麦の生産国になる。
・1869年 a 大陸横断鉄道 の完成 → 1890年頃、フロンティアの消滅。
アメリカの移民推移

1870~1910年代のヨーロッパからアメリカへの移民の推移

 産業革命 の進行
・石炭・石油・鉄鋼などの工業の躍進。
  → 19世紀末、a 世界一の工業国 になる。
 背景 豊かな天然資源と西部の国内市場の拡大、急速な経済成長。
  →▲「 金ぴか時代 」(マーク=トウェイン)の風潮ひろがる。
・労働運動・農民運動の高まり
 1886年 b アメリカ労働総同盟 (AFL)結成。
   = サミュエル=ゴンパースが指導。
・安価な労働力としてc 移民 ※が工業発展を支えた。
 東欧・南欧からのd 新移民 と中国人労働者(e 苦力 
  右のグラフ  ア: 西欧・北欧からの旧移民 
         イ: 南欧・東欧からの旧移民 
  → 旧移民の雇用を圧迫し、移民排斥の動きが強まる。
 1882年 最初の移民制限法、中国人労働者移民排斥法制定。 ※解説:
 太平洋への進出 
・1853年 a ペリー 提督の日本遠征。1854年 日米和親条約締結→b 日本の開国 
・1861~67年 南北戦争時 フランスのc ナポレオン3世 のd メキシコの内乱 への干渉
  → アメリカが抗議し、フランスの干渉は失敗に終わる。
・1867年 e アラスカ買収  ロシアから720万ドルで買収。→その直後に金鉱発見。
20世紀 アメリカ資本主義の発展へ。
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この節の小見出し
ア.領土の拡大
イ.南北戦争
ウ.工業国アメリカの誕生

目 次

序章 先史の世界

1章 オリエントと地中海世界

2章 アジア・アメリカの文明

3章 東アジア世界

4章 内陸アジア世界

5章 イスラーム世界

6章 ヨーロッパ世界の形成

7章 諸地域世界の交流

8章 アジア諸地域の繁栄

9章 近代ヨーロッパの成立

10章 ヨーロッパ主権国家体制

11章 欧米近代社会の形成

12章 欧米国民国家の形成

13章 アジア諸地域の動揺

14章 帝国主義と民族運動

15章 二つの世界大戦

16章 冷戦と第三世界の自立

17章 現代の世界