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ホームステッド法

1862年、アメリカ大統領リンカンが出した西部の農民創出法。自営農地法とも言う。21歳以上の男女の合衆国市民に公有地を貸与し、5年以上開拓に従事すれば、160エーカー(約65ヘクタール)の土地を無償で与えるというもの。南北戦争で北軍の優位をもたらした。

 アメリカ合衆国で、1862年南北戦争中にリンカン大統領が公布した。家長ないし21歳以上の者はだれでも、男女をとわず、たとえ外国人でも将来アメリカ市民となる意志を表明した者は、160エイカーの公有地の貸与を請求することができる。そしてその土地に一定の改良を加えた上、5年間定住すれば、その土地の完全な所有権を得ることが出来る。ただし、合衆国に対して武器をとった者、または外敵に援助や便宜を与えた者は除外される、という法律であった。
 160エーカーとは、東京ドーム14個分に相当する広さであり、それが無償で払い下げられることは、西部開拓を目指す白人農民にとって大きな魅力であった。<貴堂嘉之『南北戦争の時代』シリーズアメリカ合衆国史② 2019 岩波新書 p.144>

南北戦争、北軍が有利に

 従来、アメリカ合衆国政府は公有地のの民間への払い下げには慎重であり、しかも広い範囲を単位としていたので、一部の富裕者を富ませるだけであったが、西部開拓が進んで移住者が増えると、資本の少ないものでも公有地を取得できるよう法律の改正を求める声が強くなっていった。
 これによって西部の農民は北部の連邦政府を支持することとなり、南北戦争で北軍を有利にし、また西漸運動をさらに促進することとなった。 
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