印刷 | 通常画面に戻る |

ハザール=カガン国

6~10世紀に南ロシア草原に存在したトルコ系遊牧国家。ユダヤ教を受容した。

 ハザルともいう。6~10世紀に、カスピ海と黒海北岸の南ロシア草原地帯にあった、トルコ系民族の遊牧国家。西突厥を宗主国としていたが、7世紀に自立して王は可汗(カガン)を称した。黒海をはさんで向かい合っていたビザンツ帝国と通交し、時に侵攻して恐れられた。7世紀にはハザールに圧迫された同じトルコ系のブルガール人は西方に移動し、バルカン半島に入った。しかし、10世紀にキエフ公国に圧迫されて衰退した。なおイスラーム教徒はカスピ海のことを「ハザールの海」というのは、かれらもハザール人とカスピ海を舞台に交易を行ったからである。

ロシアのユダヤ人

 特筆すべきは、ハザール=カガン国は他のトルコ系諸民族がイスラーム教を受け容れたのに対してユダヤ教を受容したことである。ロシアにユダヤ教徒が多いのはこの時からであり、彼らは19世紀末の帝政ロシアで迫害され、戦後パレスチナにわたってイスラエル建国に加わった。<坂本勉『トルコ民族の世界史』慶応義塾大学出版会 p.20>
印 刷
印刷画面へ
ノートの参照
第6章1節 ア.トルコ系民族の進出とソグド人
書籍案内

坂本勉『トルコ民族の世界史』慶応義塾大学出版会