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大航海時代

15~17c、インド航路や新大陸発見などの世界の一体化が進んだ時代。

 15世紀から16世紀にかけて展開され17世紀の中頃まで続く、ヨーロッパ諸国による新航路や新大陸の発見という動きをいう。かつては「地理上の発見」という言い方をされたが、現在はそのようなヨーロッパ側に立った言い方をさけ、「大航海時代」とか、「ヨーロッパ世界の拡大」とった言い方をする。いずれにせよ、ヨーロッパ勢力のアジアやアフリカ、南北アメリカの新大陸への進出が始まったことには違いなく、同時期のルネサンスおよび宗教改革とともに世界史上に大きな転換をもたらし、「近代」への移行を示す出来事であった。
大航海時代は、まずポルトガルによるアフリカ西海岸進出に始まり、インド航路開拓に成功し、それに対抗したスペインが、思いがけずアメリカ新大陸を「発見」、さらにマゼランの世界周航でピークに達した。それ以後は、主としてポルトガルによるインド・東南アジア進出、スペインによるアメリカ新大陸の支配が展開される。

大航海時代の要因

 この時期に、この両国によって「大航海時代」が開始されたことの要因、または背景としてあげられることは次の4点である。
 1.ヨーロッパにおけるアジアに対する知識の拡大(13世紀のモンゴルの侵入、マルコ=ポーロなどによる)
 2.羅針盤・快速帆船・緯度航法など、遠洋航海術の発達
 3.ヨーロッパでの肉食の普及にともなう香辛料の需要の増大
 4.レコンキスタが進行して、キリスト教布教熱が高まっていたこと

大航海の外的な要因

 上の4項目は大航海時代が始まったヨーロッパ内部の要因でもあるが、直接的要因としては、この時期に小アジアに興ったイスラーム教国であるオスマン帝国がバルカン半島・東地中海・西アジアに進出し、従来のイタリア商人による東方貿易が行えなくなったことがあげられる。これによってヨーロッパの商人たちは、香辛料などをアジアから輸入するために直接ルートを開拓する必要に迫られたのである。

大航海で活躍した航海者

・15世紀の前半、ポルトガルの王子エンリケは盛んにアフリカ西岸への進出を図り、大航海時代の先鞭を付けた。
・東廻りでのポルトガルのインド航路の開拓では、バルトロメウ=ディアスによる喜望峰到達、ヴァスコ=ダ=ガマによるインドのカリカットへの到達がまず挙げられる。
・西回りでの大西洋の横断、新大陸への到達ではスペインによるコロンブスの航海の他、イギリスによるカボット、ポルトガルのカブラルの航海があり、アメリゴ=ヴェスプッチの新大陸探検はアメリカ大陸の存在を明らかにし、バルボアは大西洋を発見した。スペインが派遣したマゼラン船団は西回りではじめて世界を周航した。

大航海時代の影響

 この動きはインドなどアジア諸国と、アメリカ新大陸の現地人に大きな変化をもたらしただけでなく、ヨーロッパ本土にも大きな変革が生じた。商業革命価格革命がおこり、西ヨーロッパの商工業の発展と人口増加にともなって東ヨーロッパでは西ヨーロッパ向けの穀物生産に産業が特化して、農奴制が逆に強化されて半辺境化し、また新大陸のインディオに対してはスペインのエンコミエンダ制による強制労働が課せられて辺境化する、という世界的な「分業化」が進むこととなった。このような「近代世界システム」の成立を16世紀の大航海時代に見いだすことができる。大航海時代によってもたらされた「世界の一体化」とは、このような「世界分業システム」の成立と言うことであった。 → 資本主義的世界経済
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ノートの参照
8章1節 ア.大航海時代
書籍案内
ボイス・ペンローズ/荒尾克己訳『大航海時代』
ボイス・ペンローズ/荒尾克己訳『大航海時代』
1985 筑摩書房