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ナサコム/NASAKOM

1960年代前半、インドネシアのスカルノ大統領が掲げた挙国一致体制。

 1960年代に入り、インドネシアのスカルノ大統領が独裁体制を強めた時期に掲げたスローガン。NASAKOMとは、インドネシア語の民族=ナショナリズム(Nasionalisme)、宗教(Agama)、共産主義=コミュニズム(Komunisme)の頭文字をくっつけた造語。民族主義・イスラーム教・共産主義を融合させた、インドネシア独自の国家建設の理念としてスカルノによって打ち出されたものであった。
 現実的には、50年代のインドネシア共和国で議会政治が始まったものの様々な政党が乱立し、大統領の政治基盤も不安定であったため、民族主義政党としてインドネシア国民党、宗教政党としてナフダトゥル=ウラマ党(イスラーム政党)、インドネシア共産党のみが存在を許され、大統領を支えるという体制であった。この体制のもとで1960年からは国会議員選挙は行われず任命制となり、民主政治は形骸化した。
 ナサコム体制のもとで共産党が与党として台頭すると、軍部や大資本、アメリカが危機感を抱き、1965年の九・三〇事件を期に、スカルノ体制は崩壊し、スハルト政権が出現する。 
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ノートの参照
第16章3節 オ.アジアと開発独裁