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リクード

イスラエルの政党で領土拡張を主張する強硬派、保守派。70~80年代のベギン、2001年からのシャロンが政権を握り、現在はネタニヤフが指導している。

 リクードは1973年にベギンらによって結成された、現代のイスラエルの政党で、軍事力の強化による領土の拡大を主張しており、対アラブで最も強硬な右派政党である。
 1977年にはベギンが政権を取り、その後もシャリル、シャロン、ネタニヤフの三人の首相を出しており、現在も労働党・ガディマ(中道派)と並ぶ政党である。リクードとは、ヘブライ語で「団結」を意味し、もとはシオニズム運動の中の「修正派」といわれる軍事力強化を優先する右派を結集して結成された。彼らは、イギリスがパレスチナの範囲をヨルダン川西岸に限定したことに反発し、イスラエル領土を本来の範囲に拡大して「大イスラエル」を実現させること主張している。

リクードの強硬路線

ベギン政権 1977年の選挙で労働党に替わり第一党となり、ベギン政権を樹立、エジプト=イスラエルの和平を実現する一方、パレスチナ解放機構(PLO)を敵視して対決姿勢を強めた。
シャロン政権とリクードの分裂   その後も、シャミル、ネタニヤフ政権を経て1999年に労働党に敗れバラク政権にゆずったが、2001年にリクード党のシャロン首相が首相に選ばれた。シャロンは軍人出身で対パレスチナ強硬派として知られていたが、首相就任後は初めてパレスチナ国家の存在を認め、和平構想のロードマップ合意にも応じたため、リクードは分裂し、シャロンは新たに中道派政党ガディマを立ち上げた。
 右派としてのリクード支持も根強く、とくにガザ地区でのパレスチナ過激派のハマスの台頭に対して敵愾心を強めており、2005年からは強硬派のネタニヤフの率いるリクード政権が復活して、中東情勢不安定化の要因となっている。
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