アラム文字
西アジアのアラム人が使用した表音文字。アムル人の内陸交易と共に東方に広がり様々な文字となった。
前1200年頃から、西アジアの内陸貿易に活躍したアラム人が考案した文字で、22の子音からなるアルファベットである。それまでの西アジアの楔形文字に代わって前1000年紀後半に西アジア全域に広がり、前8世紀にアラム人がアッシリア帝国に征服されると、アラム語 もアッカド語とともにその公用語とされ、アラム文字も用いられた。前6世紀の後半にオリエント世界を統一したアケメネス朝ペルシア帝国においてはペルシア語と楔形文字が公用語、公用文字とされたが、アラム語・アラム文字も広く共通語・共通文字として併用された。アラム人の商業活動がなおも盛んであったからである。
アラム文字の系統的ひろがり
その後、アラム文字はヘブライ文字とアラビア文字の原型となり、さらにヘレニズム時代には東方に広がり、突厥文字、ソグド文字、ウィグル文字、モンゴル文字、満州文字などにつながっていく。 → 文字