印刷 | 通常画面に戻る |

ボロブドゥール

ジャワ島に残る8世紀のシャイレーンドラ朝時代の仏教寺院群。東南アジアの最も重要な仏教遺跡として世界遺産に登録されている。

ボロブドゥール寺院
ボロブドゥール寺院
 インドネシアのジャワ島中部にある8~9世紀のシャイレーンドラ朝時代の大乗仏教遺跡。大乗仏教を保護したシャイレーンドラ朝の王によって建設された山岳寺院で、カンボジアのアンコール=ワットと並ぶ、東南アジアの貴重な文化遺産である。
 基盤の上に6層の石造の方形壇を築き、さらにその上に3層から成る円壇を有し、その中央に仏塔(ストゥーパ)がある。つまり仏塔を中心とした建造物であり、各層は回廊となっていて多くの小塔と仏像が並んでいる。インドのグプタ様式の影響が見られ、一説によると基盤、方形壇、円壇の三層は、それぞれ地下界、人界、天界という宇宙を象徴しているという。

再発見と修復

 その建造の経緯などは文献が無くよくわかっていない。10世紀にはジャワ島中部のムラピ火山が大噴火を起こし、人々が住めない状況となったため、ボロブドゥールの存在も忘れられてしまい、19世紀にイギリスのラッフルズによって再発見され、その後はオランダ人によって修復が進められた。最近ではユネスコの手で修復工事が行われ、その構造や建築技法が判ってきた。ボロブドゥール遺跡は東南アジアの仏教建築の最高傑作とされ、世界遺産に登録されている。

世界遺産 ボロブドゥル寺院遺跡群

(引用)ジョクジャカルタの北西約40kmに位置する。1814年、当時のジャワ島副総督のラッフルズによって発見された。建築年代には明証はないが、8~9世紀にかけてこの地に仏教文化が栄えた頃のものと推定され、仏教建築の最高峰といわれている。ユネスコの呼びかけにより、1972年から国際的な協力のもと10年の歳月をかけて修復工事が行われた。<ユネスコ 世界遺産リスト 解説>  UNESCO World Heritage Convention Borobudur Temple Compounds Gallery
 UNESCO-NHK ボロブドゥル寺院遺跡群 YouTube
印 刷
印刷画面へ
書籍案内

井尻進
『ボロブドゥル』
1989 中公文庫