グプタ様式
インドのグプタ朝時代のアジャンター石窟寺院などに見られる芸術様式。ガンダーラ様式のヘレニズム的な要素は消え、インドの独自性が強まり、中央アジアを経て中国・日本にも影響を与えた。
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インド、ウッタル・プラデーシュ州マトゥラで発見されたグプタ朝の仏像。アメリカ ワシントン州フーリア美術館蔵。
優雅で繊細なグプタ仏
グプタ様式の仏教美術としては、アジャンター石窟の壁画が最も典型的なインド独自の様式を示しているが、仏像彫刻ではマトゥラー美術と言われる、マトゥーラで作られたものが代表的である。左の写真の仏像は5世紀のマトゥーラ仏で、グプタ様式を代表する名品とされている(インド・カルカッタ美術館蔵)。その風貌は、ガンダーラ仏に比べて気品とか優雅とか表現され、その衣文は薄い衣のひだがやわらかく繊細に、かつ様式的に描かれていてギリシア風のガンダーラ仏とは異なっている。アジャンター石窟寺院の壁画が法隆寺金堂の壁画の源流とされているように、仏像彫刻もグプタ仏が中国を経て日本の仏像彫刻に影響を与えていると考えられる。<辛島昇編『南アジア史』世界各国史7 2004 吉川弘文館 p.121>