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四書

南宋の朱熹が選んだ、儒教の主要な経典。『大学』・『中庸』・『論語』・『孟子』。

 五経と並ぶ儒教の経典の総称で、『大学』・『中庸』・『論語』・『孟子』の四つを言う。 → 宋代の文化
 宋以前は、漢の武帝の時に定められた五経が儒教の基本経典として重んじられていたが、南宋朱熹(朱子)によって孔子の存在が強調されて儒教の教祖として定着したことにより、孔子がまとめたとされる『礼記』から抜粋した古典である大学と中庸、孔子の言行録の論語、孔子の説を発展させた孟子の言行録である孟子の四書が加えられることとなった。五経に比べ、孔子・孟子の思想を発展させたのが儒教の思想であることをより明確にした。明の永楽帝は四書の公式な注釈書として、『四書大全』を編纂させた。

大学

 本来は『礼記』の中の一編であったが、南宋の朱子が特に重視して取り出し、四書の一つに加えて宋学の基本文献とした。特に「格物致知」から「治国平天下」にいたる宋学の基本となる方法論を含むため、最も重要な文献とされた。

中庸

 本来は『礼記』の中の一編であったが、南宋の朱子が独立した書として取り出し、四書の一つに加えた。『中庸』は性善説に基づく人間観を展開しており、朱子の理念に合致するところが重視された。
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