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青年アイルランド党

1848年に蜂起した、イギリスからの独立を求めるアイルランド人の組織。

 アイルランド問題が進行する過程で、1848年にアイルランドの独立を目ざして武装蜂起し、弾圧された組織。1842年、アイルランドの青年弁護士トーマス=デイヴィスによって組織された。イタリアのマッツィーニが組織した「青年イタリア」を模して「青年アイルランド党」と称した。デイヴィス自身はプロテスタントで、はじめはカトリックとの融和を唱えていたが、1845年のジャガイモ飢饉に遭遇して武装蜂起に転じ、フランスの二月革命、イギリスのチャーティスト運動など、ヨーロッパ各地の革命運動に刺激されて1848年に蜂起した。しかし、イギリス軍の弾圧によって鎮定されてしまった。ヨーロッパで一斉に起こって、ウィーン体制を終わらせることになった1848年革命の一つであったが、他の民族主義運動と同じく保守勢力に抑えられてしまった。しかし、1848年蜂起で弾圧を免れたメンバーはアイルランド自由主義同盟(IRB)を結成、さらにフィニアンという秘密武装組織をつくって1868年に蜂起した。アイランドの民族解放を実力で勝ち取ろうという動きは、1916年のイースター蜂起、第二次世界大戦後のアイルランド共和軍(IRA)などへと受け継がれていく。
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