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国連貿易開発会議/UNCTAD

1962年に発足した発展途上国の開発と経済発展を図る、国際連合の機関。1964年、第1回国連貿易開発会議で、発展途上国グループとしてG77が発足した。

 United Nations Conference on Trade Development UNCTAD(アンクタッド)。1962年の国際連合第17回総会において創設された、発展途上国の開発と経済発展をはかる機関。国連総会に附属する自治的機関と位置づけられ、ほぼ4年に1度、総会が開催されている。国連における南北問題の解消のための機関として重要である。

G77の「数の力」

 1964年の第1回国連貿易開発会議では、いわゆる南の立場の77カ国が77カ国グループ(G77)を結成、G77はその後も加盟国を増やしている。しかし、1980年代には途上国のなかに工業化に成功した国と、資源(特に石油資源)を保有する国は豊かになり、そうでない途上国との格差が拡大するという南南問題が表面化し、難しい局面に来ている。
 国際連合の集団安全保障の理念を担う機関は安全保障理事会であるが、現実には常任理事国の五大国(P5)が拒否権を持つために、実行力のある決議を出すことが困難だった。そこで考え出されたのが、国際連合総会で「平和のための結集」として特別緊急会合を開催し、決議するという方法であった。その際、総会は安保理と異なり多数決で議決されるので、過半数や三分の一を確保するための多数派工作が行われる。そのため、国連の中で多数派を占めるグループの存在が重要となり、それに応えるのがG77であったことから、現在ではその「数の力」は無視できない存在となっている。
 「G77」は当初は中国・インド・サウジアラビアなど77カ国であったが、現在は134の加盟国・地域になっている。<2024/10/31記>
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