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イラン戦争

 2025年10月に「ガザ戦争」停戦協定が出来、段階的な人質解放が進み、ガザの復興への期待がたかると見られた一方、イスラエルのネタニヤフ政権は次なる目標を、イスラエルが事実上領土化しているレバノン南部で抵抗を続けるヒズボラとそれを背後で動かしていると見たイラン=イスラーム共和国をたたくことであった。すでに前年の2025年6月13日にイスラエルとアメリカは予備的にイラン空爆を行い、イランの防空システムの破壊に成功していた。
 この戦争はまだ終結していないので、歴史的な名辞は確定していないが、一般的に「イラン戦争」と言われるようになっているので、当面はそれに従う。ウクライナ戦争、イラン戦争など、強国に攻撃された側の国名を歴史的な戦争名として使うのには疑問があるが・・・。

アメリカ・イスラエルのイラン攻撃

 2026年2月28日、アメリカ空軍とイスラエル空軍はイラン空爆を行い、その最高指導者ハメネイ師を殺害した。外国の首都の中枢部に対する直接のミサイル攻撃で、ピンポイントでその首脳を殺害するという、国家間の紛争を非合法な手段で解決するというやりかたに大きな非難が沸き起こった。かつてビンラディンを殺害した「テロとの戦い」ならぬ、国連加盟の主権国家の最高位にある人物を殺害するという、「国家テロ」ともいえる所業がまかり通ったことに世界は大きな衝撃を受けた。
 トランプ大統領の読みの裏には1月にイランで経済的不満から反政府デモが起きていたことから、イランの宗教的革命政権を倒す好機ととらえ、また同じ頃、南米ベネズエラに直接介入してマドゥロ大統領の身柄を拘束することに成功したことで自信を深めていたこと、秋に予定される中間選挙に向けての「強いアメリカ」を指導し、Make America Grate Again の実績造りを目論んだことが、このような蛮行に踏み切った理由であろう。
 トランプ大統領は、24年11月の大統領選挙でも、オバマ政権によるイラン核合意をアメリカの国益を損ねるひどいディールだったと主張していた。今回の攻撃の正当性をイランの核開発を完全に終わらせることをあげ、当初、数週間で軍事的決着がつき、イランの革命政権は倒れると予測し、イランが抵抗すれば「文明を破壊し石器時代にもどすぞ」と恫喝した。しかし、イランの抵抗は想定以上に根強く、ミサイルやドローンによるイスラエルと周辺のアメリカ軍基地、親アメリカの湾岸諸国施設への攻撃が続き、長期化の様相を呈していった。

ホルムズ海峡の封鎖

 特に、イラン側がホルムズ海峡を封鎖するというカードを切ったことに対してアメリカが逆封鎖するという対抗手段に出たため、戦局は混沌としてきた。パキスタンを仲介とした和平交渉が始まったが、核開発問題・ペルシャ湾問題に加え、イランの要求するイスラエル軍のヒズボラ攻撃の停止問題がネックになって、100日以上経過したが、停戦は実現していない。核問題とペルシア湾問題はアメリカとイランで合意することは可能であっても、イスラエルがヒズボラ殲滅をあきらめないかぎり、中東全域の和平は困難と思われる。<2026/6/8記 未定稿>
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