植民市(ローマ)
ローマがその征服地にローマ人を入植させて建設した都市。コロニア。ローマ市民と同等の市民権が与えられた。
イタリア半島の一小都市国家にすぎなかったローマが、前4~3世紀に半島統一戦争を進める過程で、ローマ市民の主に軍人を征服地に入植させて建設した都市で、同等のローマ市民権が与えられた都市、または征服された都市でもそれと同等の権利をあえられた都市。ラテン語でコロニア colonia という。市民権は認められたが、ローマからの自治権は認められていなかったので独立性は薄く、ローマに従属した。 → 分割統治・自治市・同盟市
植民市の例 ケルン
例えば、現在のドイツの都市ケルンは、ローマの植民市(コロニア)アグリッピネンシスがその起源で、コロニアであったところから、後にケルンという地名となった。ケルンには、ローマ=カトリック教会の大司教座が置かれ、ケルン大司教は神聖ローマ帝国の皇帝選出権をもつ七人の選帝侯の一人とされた。また、代表的ゴシック様式建築として知られるケルン大聖堂がある。