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大唐西域記

7世紀、唐の僧玄奘の西域からインドにいたる旅をもとにした旅行記。『西遊記』の素材となった。

 の僧玄奘は、629年に長安を出発、陸路インドに向かい、西域の砂漠や高山地帯を越えてインドに入り、ナーランダー僧院で仏教を学び、645年に帰国した。玄奘は、帰国後、長安慈恩寺・大雁塔を建て、中国仏教の繁栄をもたらしただけでなく、自らがもたらした多くの仏典を漢訳し、中国仏教の定着・発展に大きく寄与した。
 玄奘の17年にわたった大旅行は、後に弟子たちによってまとめられ、『大唐西域記』として知られており、7世紀の西突厥などの西域諸国とヴァルダナ朝時代のインドについての貴重な情報源となっている。
 元の時代に呉承恩が『大唐西域記』を素材として、三蔵法師を主人公に孫悟空、猪八戒、沙悟浄などが活躍する『西遊記』を生み出し、人々に親しまれるようになり、日本でも現在まで人気が高い。