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フッガー家

ドイツのアウクスブルクを拠点とした豪商。銀鉱山を支配、金融業も営み、15世紀にハプスブルク家を支えたが、16世紀の大航海時代で始まった商業革命のによって17世紀に衰退した。

 15世紀、ドイツのアウクスブルクで繁栄した豪商。ヤコブ=フッガーが、ヴェネツィアとの香辛料や木綿、麻織物などの交易で財を築き、近くのチロル銀山の経営権を独占してを保有、さらにハンガリーなどの銅山の経営も行った。それらの資金を基に金融業にのりだし、神聖ローマ帝国のマクシミリアン1世や、カール5世(スペイン王カルロス1世)、さらにローマ教皇庁などにも多大な融資を行った。いわゆる商業高利貸資本の典型である。この時代の南ドイツの商業の繁栄を「フッガー時代」ともいう。

商業革命で後退

 しかし16世紀に大航海時代が始まり、商業の中心が仲介のヴェネツィアやジェノヴァから大西洋岸のリスボンアントワープに移るいわゆる商業革命が起こると、カール5世のマゼラン船団への資金貸し付けなどもおこなったが、次第に没落せざるを得なかった。とくに融資先であった神聖ローマ帝国の財政破綻は、フッガー家の没落を決定づけた。同じく南ドイツの商人にヴェルザー家があるが、こちらは高利貸資本よりも遠隔地貿易に積極的にのりだしリスボンに進出したが、やはり16世紀末には没落した。
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