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東欧革命

1989年、東ヨーロッパ社会主義諸国で連続して起こった民主化、議会制への転換、市場経済の導入などの諸改革をいう。これによって東欧社会主義国は消滅し、同年末に米ソ首脳がマルタ会談で冷戦の終結を宣言。91年にはソ連自体が解体され消滅した。

 1989年に、東ヨーロッパ社会主義圏の諸国で一斉に起こった、社会主義体制から市場経済の導入、複数政党制による議会制度の導入などの民主化を実現させた変革を東欧革命という。その前提は、前年の1988年にソ連のゴルバチョフ政権新思考外交に転換し、新ベオグラード宣言ブレジネフ=ドクトリン制限主権論)の否定を声明、東欧各国がそれまでソ連圏の一員という枠内で進めていた改革を一挙に各国独自に展開することが可能になったことにある。

1989年東欧革命の1年

この1年間に東欧で起こったのは次のような事である。
 この1989年の東欧革命を受け、翌年にかけて東欧諸国はいずれも社会主義を放棄、また東ドイツは消滅してドイツは統一された。この際、ルーマニアで政府軍と民衆の銃撃戦とチャウシェスク大統領の処刑という事態はあったが、その他の国々ではほとんど流血の事態はなく、平和的な手段で体制移行が行われたことも特筆すべき事である。またこの東欧革命は、1991年に、こんどは社会主義体制の本家であるソ連の解体をももたらすこととなった。さらに91年にはユーゴスラヴィア内戦が始まり、ユーゴスラヴィアの解体が進行することとなる。
 なお同じ1989年6月4日に、中華人民共和国においても、鄧小平政権が経済の改革開放路線をとりながら、政治では共産党一党支配を崩さないことに対する中国民衆の民主化運動が起こったが、こちらの天安門事件(第2次)は政権が軍隊を動員して鎮圧されてしまった。
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書籍案内

三浦元博・山崎博康
『東欧革命―権力の内側で何が起きたか』
岩波新書