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地球温暖化

産業革命期から始まった化石燃料の使用による気象変動。現代の環境問題の一つ。1990年代から国際的な防止への取り組みが始まり、1997年の京都議定書に続き、2015年にパリ協定が成立、削減目標が立てられた。

 現在の重要な環境問題の一つ。18世紀中頃の産業革命(第1次)から先進諸国の人間が化石燃料(石炭・石油)を燃焼させ続けているため、大気中の二酸化炭素の量が増加し、その結果地球の平均気温は上昇し、最近の100年間で約0.6度上昇した。この気温の上昇は、氷河期・間氷期などの自然環境の変化ではなく、人間の経済活動が原因であった。温暖化が進むと、海水面の上昇(インド洋のモルディブなど水没の危険がある)、森林の減少(主にの原料のパルプ材として伐採)、異常気象、生態系の破壊など、計り知れない環境の変化が起こると考えられている。
 そこで、1992年のリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議では、温暖化防止のための「アジェンダ21」が作成され、「気候変動枠組条約」が締結された。ただし、地球温暖化の防止に関する意見には、南北問題からくる立場、主張のちがいがある。
  • EU諸国など:温室効果ガスの排出を厳しく制限、さらに削減目標を高くし、環境問題解決をはかるべきであると主張。
  • アメリカ、日本など:削減が産業発展を阻害する恐れがあるから目標を現実的なものに抑え、開発途上国も義務化すべきであると主張。
  • 中国、インドなど:先進国が高い削減目標を設定すべきであり、工業化の途上にある国は削減目標の設定をすべきではないと主張。

京都議定書からパリ協定へ

 これらの立場の違いを克服して、先進国と途上国の妥協をはかったのが、1997年12月の京都議定書であった。京都議定書では、先進国の国別削減目標を定め、先進国と途上国の対立を調停するために「排出量取引」を可能にするなど画期的な枠組みを作ったが、2001年にアメリカのブッシュ大統領が途上国(インド、中国)の削減目標が定められていない事を不平等であるとして離脱し、目標達成は困難となった。これは、アメリカで強まった単独行動主義(ユニラテラリズム)の動きの一つであった。京都議定書は2005年にロシアが批准して発効要件である批准国55ヵ国に達したので発効したが、2008年~2012年の目標達成期限を迎えても、細工現目標に達することが出来なかった。そのため2020年に期限を迎える京都議定書に代わる、「ポスト京都議定書」を模索する努力が始まった。
 2015年12月、第21回気候変動枠組条約締結国会議(COP21)で京都議定書に代わる新たな「パリ協定」が成立、アメリカ・中国、EUが批准して2016年11月に発効した。新たな国際的枠組みとしてのパリ協定は、21世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標とし、すべての条約加盟国は削減目標を5年ごとに更新することとなった。
 パリ協定に対して2019年11月にアメリカの共和党トランプ大統領は国内産業界の不満を背景に離脱を表明し、地球温暖化に対する国際的取り組みの足並みが乱れた。しかし2020年11月の大統領選挙で当選して政権が交代、2021年1月就任した民主党バイデン大統領は直ちにパリ協定復帰を表明した。
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