トトメス3世
前15世紀、エジプト新王国の王。西アジアに進出し領土を拡大した。
トトメス3世
ルクソール博物館
エジプトの支配領域最大に
前15世紀、エジプト新王国のトトメス3世は軍をユーフラテス川まで進め、カッシート(バビロンを支配していた)、ミタンニ、アッシリア、ヒッタイトなどのアジアの諸王朝にエジプトの地位を承認させた。アジアを制圧したトトメス3世は、次いでナイル川上流ヌビア地方のクシュ王国を従え、エジプト史上最大の版図を獲得した。このような征服活動を展開したところから、トトメス3世は「エジプトのナポレオン」と言われる。しかし国王の権力が強くなるに従い、それを支えていたテーベのアメン神(アメン=ラー)の神官との対立が始まり、前14世紀のアメンホテプ4世のアマルナ革命の混乱期を迎える。