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タイ人

シナ=チベット語族に属し、11世紀ごろからチャオプラヤ川流域に定住、13世紀ごろまでにスコータイ朝、15世紀にアユタヤ朝を建国。一時ビルマ人に支配されたが、1782年にラタナコーシン朝が成立、現在まで続いている。

 タイ語族はシナ=チベット語族に属する。タイ語を話す人々という意味でのタイ人(シャム人)は、現在のタイ国民であるほか、東南アジア各地域に広がっているが、もともとは中国の南西部にいたらしい。10~13世紀、現在の中国南部の雲南省から南下したと考えられている。大理国もタイ人の国家とされるが、狭い意味のタイ人との関係はよくわかっていない。またかつては、タイ人の南下はモンゴルに圧迫されたためと説明されていたが、現在では否定的にみられている。

タイ人の南下

 中国南西部にいたタイ人は、11~12世紀に南下を開始し、さらに13世紀にはモンゴル帝国に圧迫される形でインドシナ半島に入り、チャオプラヤ川流域の平野部に移住してきた。そこにはすでにモン人のドゥヴァーラヴァティ王国があったが、この国は東から力を伸ばしてきたクメール人のカンボジアに圧迫され衰えていた。13世紀のインドシナ半島におけるタイ人の著しい南下の動きは「タイ族の大いなる沸騰」といわれている。 → タイの王朝変遷

スコータイ朝とアユタヤ朝

 タイ人もはじめはクメール人に支配されていたが、13世紀中にはいくつかの王国をつくり、その中の一つチャオプラヤ川上流のスコータイ朝が最も有力となった。スコータイ朝は15世紀にチャオプラヤ川下流におこた同じタイ人のアユタヤ朝に併合された。

ビルマとの戦争とラタナコーシン朝

 アユタヤ朝は1767年にビルマから侵攻したコンバウン朝(アラウンパヤー朝)の軍隊に滅ぼされ、アユタヤも破壊された。その後1782年にタイ人の国家ラタナコーシン朝(チャクリ朝)が成立し、この王朝が現時まで続いている。タイ人はタイ全域のほか、現在のラオス、やカンボジア、ミャンマー北部、中国南西部にも存在している。 → タイ(国土と民族。現代のタイ。)
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