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第8章 アジア諸地域の繁栄

1 東アジア・東南アジア世界の動向

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ア.14世紀の東アジア 用語リストへ
 紅巾の乱  14世紀 世界的な災害、疫病の多発 → 東アジアでも飢饉続く
・元朝の支配の衰え →1351~66年 a 白蓮教徒 ※が反乱をおこす。
 ※仏教をもとにした宗教結社  弥勒仏 がこの世に現れるという下生信仰と結びつき勢力を拡大。
 → 反乱軍の中から頭角を現した貧農出身のb 朱元璋 が長江下流を制圧。
   地主・知識人層と結び、農民反乱を鎮圧。→ 北伐を行い、元軍を破る。

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 明  の成立  1368年 a 南京 で帝位につく=b 太祖洪武帝 
・年号をc 洪武  と定める。=d 一世一元の制 
  → 元の皇帝はモンゴル高原に退き、 北元 を称す。
  = 漢民族による中国統一を回復。e 江南 から起こって中国を統一した最初の王朝。
 ※1370年、西アジアでは ティムール朝 成立。
C 東アジアの情勢 14世紀 朝鮮半島、日本での変化
・日本:1333年 鎌倉幕府が滅亡 →a 南北朝の内乱 ~1392年 南北朝合一
     政治の混乱続き、日本人のb 倭寇(前期倭寇) の活動活発になる。
・朝鮮の成立:高麗は親元派と反元派の対立し、 b 倭寇 の侵入も苦しみ、衰退。
 1392年、c 李成桂 が倭寇の鎮圧で名声を上げ、王位につく(太祖)
 → 国号をd 朝鮮 、都をe 漢城 (現ソウル)とする(一般にf 李朝 とも言う)。
   科田法 を制定し大土地所有を制限。全国の土地調査を実施。荘園を没収。
  明に朝貢し、科挙制、朱子学などを取り入れる。 → 儒教が広く浸透する。
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イ.明初の政治 用語リストへ
 洪武帝 の統治(1368~1398)  漢民族の意識を高め、専制支配体制の強化をはかる。
・皇帝の独裁的権力確立 1380年 a 中書省 とその長官である丞相を廃止。
  → b 六部の皇帝直属  万事を皇帝が直接決定する態勢をつくる。
  中央官制、地方官制とも行政・軍事・監察の三権を互いに牽制させる。
魚鱗図冊

 魚鱗図冊  

・官制        中央        地方

     ┌(行政) 六部     ─  布政使
     │
   皇帝┼(軍事) 五軍都督府  ─  都指揮使
     │
     └(監察) 都察院    ─  按察使
・農村統治のための連帯責任制度
 c 里甲制 民戸(農民、商人など税を負担する戸)を里と甲に編成。
  = 110戸を1里とし、その中の富戸10戸をd 里長戸 、残りを
   10戸ずつ10甲に分け、甲ごとにe 甲首戸 を置く。
   それぞれ1年交替で徴税事務、治安維持などにあたらせる。
   人望ある長老をf 里老人 として裁判、民衆教化にあたらせる。
・税制:戸籍・租税台帳としてg 賦役黄冊 を10年ごとに作成。 
    あわせて土地台帳としてh 魚鱗図冊 (右図)を作成。
・民衆教化策:i 朱子学 を官学とし、j 『六諭』 を定め、里ごとにとなえさせる。

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・官吏登用制度:k 科挙制 の整備。
  郷試(州の試験)→会試(中央の試験)→殿試(最終試験)の三段階選抜。
・法制:▲l 明律 ・m 明令 の制定。
・軍制:n 軍戸 を設け、o 衛所制 を編成。
  = 112人で百戸所、10百戸所で千戸所、5千戸所で1衛とする。
・外政:p 海禁政策 (海外渡航を認めない)をとり貿易はq 朝貢貿易 のみを認める。
     → 周辺諸国の貿易船に勘合符を発行するr 勘合貿易 を始める。
・通貨:紙幣(宝鈔)の他に銅銭の洪武通宝を発行。次の永楽通宝とともに日本にも輸出。
 靖難の役 1399~1402年
・第2代a 建文帝  諸王(北辺の防備にあたっていた)の勢力削減をはかる。
  → 北平(現北京)を本拠にした燕王朱棣が挙兵、南京を占領。
    燕王は、1402年、第3代b 永楽帝 (成祖)として即位。
 永楽帝 の統治 15世紀前半、明の全盛期となる。
・1421年 a 北京 に遷都。 紫禁城を造営。
・政治:親政を補佐する▲b 内閣大学士 を置く(内閣の始まり)。一方で宦官を重用。
・科挙制の整備:『c 永楽大典 』『 四書大全 』『 五経大全 』を編纂。科挙の基準とする。
・経済:江南と北京を結ぶ運河を整備。 永楽通宝を発行。
・対外:積極策を展開、d モンゴル に親征、e ベトナム に遠征軍を送り、支配。
    f 鄭和 ※を南海遠征に派遣。朝貢貿易の拡大を図る。
 1424年 モンゴル遠征の途中で死去。以後各皇帝、北京北西に陵墓建設( 明の十三陵
  その死後、明は対外消極策に変わる。 → 内モンゴルから後退、ヴェトナム(大越国)の独立。

明の支配領域とその周辺 15世紀はじめのアジア

明の支配領域とその周辺

  重要地
  1. 南京 
  2. 北京 
  3. カラコルム 
  4. 漢城 
  5. 土木の変 
 
  周辺諸地域
  a. 韃靼(タタール) 
  b. 瓦刺(オイラト) 
  c. ティムール朝
  d. チベット 
  e. ベトナム(大越国) 
  f. アユタヤ朝(タイ) 
  g. 女真 
  h. 朝鮮(李朝) 
  i. 室町幕府 
  j. 琉球王国 


※a 鄭和の南海遠征   イスラー教徒で宦官であった。
 1405年~1433年の間、前後7回の大航海を行う。
 第1回 南京 → チャンパー → ジャワ島 → スマトラ島 → セイロン島 →
      インドのb カリカット に到達
 第4回 インドからペルシア湾入り口のc ホルムズ をへて、アフリカ東岸に到達し
      d モガディシュ 、e マリンディ などを訪問
 第7回 分遣隊をf メッカ に派遣、各地の王に朝貢を促し、ムスリム商人と交易を行う。
  → 帰国後、明の外交政策はk 海禁政策 の強化に転じこの事業は忘れられる。
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ウ.明朝の朝貢世界 用語リストへ
15世紀 明を中心とする 朝貢貿易 が東アジアからインド洋まで広がる
1. 琉球王国    現在の沖縄 1429年a 中山王(尚巴志) が統一。
   明との朝貢貿易 → 東シナ海と南シナ海を結ぶ交易の要となり栄える。
2. マラッカ王国  鄭和の遠征を機に成長、インド洋と東南アジアを中継し栄える。
   15世紀半ばに東南アジアで最初に本格的にイスラーム化。
  → ジャワのマジャパヒト王国に代わり東南アジア最大の貿易拠点となる。

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3. 朝鮮   明に朝貢。明の制度を取り入れる → 科挙制、朱子学など。
  15世紀前半a 世宗 の時代 b 銅活字 の発明、c 訓民正音(ハングル) の制定。
4.日本 a 室町幕府 の将軍b 足利義満  1401年 遣明船を送る(朝貢)。
   → 日本国王に封ぜられ、c 日明貿易 を開始(1404)。
   → d 勘合貿易 の形態をとり、倭寇は禁圧される。
   並行して朝鮮との貿易( 日朝貿易 )も行われる。
5. ベトナム(大越国)  1400年に 胡朝 が成立
  1406年 明のa 永楽帝 が遠征軍を派遣、征服される。
  1418年 黎利が明軍を撃退し、大越国の独立を回復し、b 黎朝 を樹立。
   その後は朝貢を続け、明朝の制度を学び、朱子学が盛んになる。
6. モンゴル   1388年 北元、明の洪武帝の攻撃をうけ滅亡。
   → 東部のa 韃靼(タタール) と西部のb 瓦刺(オイラト) に分かれる。
   → 諸部族が朝貢制度に不満をもち、しばしば中国に侵入。
  15世紀中ごろ オイラトがc エセン=ハン のもとで強大となる。
  1449年 d 土木の変  河北省の土木堡で明の 正統帝 を捕らえ、さらに北京を包囲。
   → 明、e 万里の長城 を修復してモンゴルの侵入に備える。

 ブログ「世界史の旅」万里の長城

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エ.朝貢体制の動揺 用語リストへ
16世紀 a 大航海時代 の開始による世界的商業の活発化が朝貢体制を動揺させる。
  → 東南アジアの香辛料輸出の増大 →西欧諸国間の抗争・アジアの交易国家間の抗争
1. ポルトガルの侵入 
 ・1511年 a マラッカ王国 (イスラーム教国)を占領。
  → スマトラのb アチェ王国 、ジャワのc マタラム王国  バンテン王国
    などイスラーム諸国がポルトガルに対抗
  → 1517年 中国に初めて使節を送る。
2.インドシナ半島(大陸部)の状況
 ・タイ(旧名a シャム )のb アユタヤ朝   → フランスにも遣使。
  → 東南アジアの交易で繁栄。16~17世紀に 日本町 も形成される。
 ・ビルマ(現ミャンマー)のc トゥングー朝  (いずれも仏教国)
  → 米、獣皮などの輸出で繁栄。

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補足:14~17世紀 その他のインドシナ半島の地域
3. 北虜南倭  16世紀の国際商業の繁栄 → 明の経済統制を打破しようとする動き強まる。
  意味:a 北方からのモンゴル人の侵攻と海岸での倭寇の被害が増大し明が苦慮したこと 
 ・北方:タタール部の ダヤン=ハン 、モンゴルを再統一。
   → b アルタン  1550年 長城を越え、北京を包囲する。さらにチベットを征服。
 ・南方:東南海岸でのc 倭寇(後期倭寇) の活発化。中国人中心の編成となる。
   → 明、d 海禁政策 をゆるめる。
4.中国へのa 銀 の流入
 ・明代の生産力の増加(次項)→ 交易の増加 → 海禁の緩和へ
  15世紀以降 b 日本銀  石見銀山などの銀が丁銀(ちょうぎん)の形で大量に輸入される。
  16世紀後半から、c スペイン銀貨   メキシコやポトシ銀山などで産出し、鋳造された。
  → マニラを経由したガレオン貿易で中国に大量に流入するようになった。(第10章2節参照)
  影響:明代にa 銀 が主要な貨幣となる。( 馬蹄銀 という秤量貨幣として流通した。)
   → 税制の変化(後出)
 
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オ.明後期の社会と文化 用語リストへ
○明の社会
1.生産力の発展:長江下流域のa 綿織物(木綿) ・b 生糸(絹織物) など
  家内制手工業が発達。水田がc 綿花 と養蚕に必要なd 桑 の畑に変化。
   → 蘇州杭州は絹織物、南京は綿織物(南京木綿)などの生産と商業で繁栄。
 ・穀倉地帯が、長江下流域(江蘇・浙江省)から中流域(湖北・湖南省)に移る。
   宋代には「e 江浙 熟すれば天下足る」と言われたが、
   明末には「f 湖広 熟すれば天下足る」といわれるようになる。
 ・江南では宋代以来の大土地所有制とg 佃戸制 が継続。 
 ・手工業の発達:陶磁器(h 景徳鎮 染付赤絵が有名)の生産増える →流通の拡大
  → 中国産のi 生糸 ・j 陶磁器  ポルトガル・スペイン商人が大量に買い付ける。
2.特権商人の活動: a 山西商人 (山西省出身で金融業中心に活躍)と
    b 徽州(新安)商人 (安徽省徽州出身で塩商資本をもとに活躍)が巨富を築く。
  →▲c 会館・公所 の成立:都市における同郷者または同業者の互助組織の拠点。
3.税制の変化:16世紀 a 銀 の流通の増大に伴いそれで代納する傾向が強まる。
  → 従来のb 両税法 にかわり、c 一条鞭法 となる。
  内容のポイント :d 地税と徭役(力役)をまとめて銀納に一本化した。 
  → 江南から全国に普及。
4.貧富差の拡大:商人で地主になるもの、地主で都市に住むものが増加(特に江南)。
  → 明代中期以降、地方の有力者a 郷紳 (科挙合格者や官僚経験者の家)が成長。(清代まで続く)
 ・明末に▲b 抗租運動 激しくなる。佃租(小作料)軽減を求める佃戸と地主の抗争。
  1448~49年▲c 鄧茂七の乱 福建省で起こった抗租運動。数十万の農民が参加したが鎮圧された。
  → 明末・清初には家内奴隷の解放運動である▲奴変、都市下層民の反権力闘争である▲民変もおこる。
 ・広東・福建方面の農民の東南アジアなどへの移住始まる→d 南洋華僑 の始まり。
○明代の文化
 要点 a.儒学では 朱子学の体制化に反発して陽明学が起こった。 
    b.文学では 口語体の通俗小説が流行し、元代に続いて庶民文化が栄えた。 
    c.美術では 郷紳などの富裕階級の文人画が隆盛した。 
    d. イエズス会宣教師によって西洋科学技術が伝えられた。 
1.美術:郷紳など富裕階級が文化生活を楽しむなかで、書画が発達。
     高級官僚のa 董其昌 が文人画系の 南宗画(南画) の作者として活躍。
     仇英らは院体画系の 北宗画(北画) を継承。
2.文学:木版印刷の発達 → 書物の出版が急増 → 文人の活動。
   ・口語で書かれた通俗的な長編読み物= 小説 が発達。以下を四大奇書という。
     a 『三国志演義』 ・b 『水滸伝』 ・c 『西遊記』 ・d 『金瓶梅』 
   ・戯曲 『牡丹亭還魂記』

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3.儒学の展開
 明は皇帝専制政治を支える理念として朱子学を官学としたが、その体制化にたいする反発から
 新しい思想が起こった。
 ・a 陽明学 :宋の陸九淵の思想を発展させ、16世紀始め明のb 王陽明(王守仁) が完成。
   心即理を説き、朱子学を批判。c 知行合一 を説き、実践と実用を重んじる。
   明末▲d 李贄(李卓吾) は儒学の礼教を偽善として非難、男女平等を説き投獄される。
マテオ=リッチと徐光啓

 マテオ=リッチ (左)と
 徐光啓 (右)

4.科学技術書:農業など諸産業の技術研究書が作られる。
 ・a キリスト教宣教師 によって伝えられた西洋の科学技術の影響もある。
  李時珍『b 本草綱目 』薬草に関する研究所。
  徐光啓『c 農政全書 』古来の農法を集大成。
  宋応星『d 天工開物 』古来の産業技術を紹介。
  徐光啓『e 崇禎暦書 』宣教師f アダム=シャール が協力した暦法書。
5.キリスト教の布教
 ・16世紀末からカトリックの布教はじまる。
  a フランシスコ=ザビエル :スペイン人。イエズス会を創設。
   → 日本布教の後、中国布教を目指し、1552年に広州港外で死す。
  b マテオ=リッチ (利瑪竇):イタリア人。17世紀始め北京で布教開始。
   → 士大夫層を通じ皇帝に接近、天文・暦法・地理・数学・砲術など紹介。
    c 徐光啓 の協力でd 『坤輿万国全図』 を作成(1602年)。日本にも伝えられる。

Text p.171

     同じく、ユークリッドの幾何学を翻訳し、 『幾何原本』 を刊行。
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カ.東アジアの状況 用語リストへ
1.日本を中心として見た東アジアの状況
 戦国時代 の終わり
・1543年 a ポルトガル人 の渡来、種子島にb 鉄砲の伝来 
・1549年  キリスト教の伝来 。 → c 南蛮貿易 が始まる。
・ポルトガル人 1557年 c マカオ を拠点に、平戸、長崎に進出
・スペイン人 1571年 d マニラ を拠点に、メキシコとの貿易を開始
  → 鉄砲の普及 →  織田信長 の統一事業進む。
  → イエズス会などの宣教師によるキリスト教(カトリック)の布教が進む。
    ▲キリシタン大名によるローマ教皇への遣使( 天正遣欧使節 ) 1582年出発 1590年帰国
 豊臣秀吉 の統一
・1587年 バテレン追放令 宣教師は追放されたが、貿易は活発に続けられる。
・a 豊臣秀吉の朝鮮侵略  1592~1598 朝鮮ではb 壬辰・丁酉倭乱  という。
 → 明の援軍とb 李舜臣 の水軍( 亀甲船 )、義兵の活躍により撃退。
 → 国土は荒廃し、国力衰える。
 徳川家康 の統治
・a 朱印船貿易 を促進。
 → 日本人の海外渡航の最盛期となり、東南アジア各地にb 日本町 が生まれる。
・1600年 リーフデ号が漂着 b オランダ は1609年、c イギリス は1613年に平戸に商館を設ける。
  → 新教国の両国が、カトリック国であるポルトガル、スペインの排斥をはかる。
 ▲伊達政宗の 慶長遣欧使節  メキシコ、スペイン、ローマに派遣。1613年出発 1620年帰国、交易開始できず。

Text p.172

・オランダ人 1624年 d 台湾  に進出 e ゼーランディア城 を築く
  → アジアの貿易をめぐり、中国人・日本人・ポルトガル人・オランダ人が争う
 鎖国  江戸幕府のキリスト教禁止と貿易統制を目的とした政策。
・a キリスト教禁止令  1612 直轄領、1613 全国へ
・貿易の統制 1616年 中国船を除き、外国船の来航を平戸・長崎に限定。
  → 1623年 イギリス、平戸商館を閉鎖。1624年 スペイン船の来航禁止。
・鎖国の完成
 1635年 日本人の海外渡航および帰国を全面禁止。
 1637年 島原の乱起こる。
 1639年 b ポルトガル 船の来航を禁止。
 1641年 c オランダ の商館をd 長崎出島 に移す。
   → 長崎での中国(清)とオランダとの貿易のみとなる。→19世紀前半まで
2.明から清へ
A 明の衰退
・16世紀後半 a 北虜南倭 に苦しむ。軍事費が増加、財政難に陥り、衰退を早めた。
  一方で、巨大な陵墓(明の十三陵)の造営を続け、財政難がさらに深刻化。
・1572年 b 張居正 の改革 皇帝c 万暦帝 の時の内閣大学士。
  → 中央集権化と財政の再建を目指すが地方出身の官僚の反発を招き、失敗。
・d 東林派 ※と非東林派の党争が激しくなる。
 ※顧憲成らが無錫に再建した 東林書院 を中心とした官僚たち。
  → e 宦官 の横暴 → 社会不安高まり、各地に暴動起こる。
・1592~1598年 f 秀吉の朝鮮侵略  → 明は援軍を送り疲弊する。
 女真 の進出 中国東北地方のツングース系(女直ともいう。後にa 満州 に改称)。
・1616年 b ヌルハチ  女真を統合し、c アイシン(金) (後金)を建国。
  d 八旗 を編成。狩猟組織をもとにした女真の軍隊組織。
   → 所属する武人は旗人といわれて旗地を与えられ、支配階級を形成する。
  モンゴル文字をもとにe 満州文字 を作る。清朝では漢字と併用される。
 清 の建国 1636年 a 太宗ホンタイジ  皇帝を称し、国号を改める
・内モンゴル( チャハル部 )、朝鮮を制圧し、長城以南に侵入、蒙古・漢人の八旗も組織。
  → 明軍を脅かす。明は軍事費増大のため重税を農民にかける。

Text p.173

 明の滅亡   重税と大飢饉を背景に明でa 李自成の乱 が起こる。
  1644年 反乱軍、北京を占領し、最後の皇帝 崇禎帝 が自殺し明が滅亡。
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この節の小見出し
ア.14世紀の東アジア
イ.明初の政治
ウ.明朝の朝貢世界
エ.朝貢体制の動揺
オ.明後期の社会と文化
カ.東アジアの状況

目 次

序章 先史の世界

1章 オリエントと地中海世界

2章 アジア・アメリカの文明

3章 東アジア世界

4章 内陸アジア世界

5章 イスラーム世界

6章 ヨーロッパ世界の形成

7章 諸地域世界の交流

8章 アジア諸地域の繁栄

9章 近代ヨーロッパの成立

10章 ヨーロッパ主権国家体制

11章 欧米近代社会の形成

12章 欧米国民国家の形成

13章 アジア諸地域の動揺

14章 帝国主義と民族運動

15章 二つの世界大戦

16章 冷戦と第三世界の自立

17章 現代の世界