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東西交流(元)

13~14世紀、元代に盛んになったユーラシアの東西文化圏の交流。マルコ=ポーロ、イブン=バットゥータらが活躍した。

 13~14世紀、ユーラシア大陸にモンゴル帝国が成立した時代は、地中海世界では十字軍運動の展開の後半期と、その後のイタリア商人を中心とした商業の復興の時代であり、またインド洋ではムスリム商人による海上貿易が展開されていた。モンゴル帝国の成立とそれによってもたらされた「タタールの平和」は、そのような広範囲な世界商業圏の成立を背景にあり得たと言える。
 そのような時期に、東西の人的、物的な交流、言い換えれば文化的、経済的な交流が活発となった。すでに13世紀の中ごろに始まっており、ヨーロッパからアジアにやってきた代表的な人物の動きとしてあげられるのが、特にキリスト教の中では次の三人である。  これらのキリスト教関係者意外には、そしてマルコ=ポーロらの商人、逆にアジアからヨーロッパに赴いたラッバン=ソウマ、イスラーム教徒として三大陸を旅行したイヴン=バトゥータらをあげることができる。なお、西欧キリスト教世界には、東方世界にキリスト教の王が存在するというプレスター=ジョンの伝説があり、十字軍時代にイスラーム勢力の背後のキリスト教勢力と提携する道を探るという動きもおこった。
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書籍案内

青木康征
『海の道と東西の出会い』
世界史リブレット25
1998 山川出版社