マルクス
19世紀中ごろのドイツ人で社会主義思想を体系化し、国際労働運動を組織した。
カール=マルクス Marx,Karl Heinrich 1818~1883 は、ドイツのラインラント地方、トリアーに生まれ、はじめ急進的な共和主義者として活動を開始した。1842年からケルンで『ライン新聞』編集長となって、当時のプロイセン王国政府の専制政治を批判する論陣を張り、発禁となったためパリにおもむき、フランス社会主義と接触して、次第に社会主義・共産主義に関心を移し、1848年、エンゲルスと共に『共産党宣言』を発表した。この書は折から高揚していた1848年革命の中で、ドイツだけでなく、ヨーロッパ各都市の社会主義運動につようい影響を及ぼし、マルクスはその指導者として知られるようになった。
その思想はヘーゲル哲学から出発し、フォイエルバッハの唯物論、フランスの初期社会主義、イギリス古典派経済学を批判的に摂取して、独自の史的唯物論・弁証法的な階級史観などを体系づけた。とくにイギリス亡命中に書かれた『資本論』(第1部は1867年に発表)は、徹底的に資本主義の矛盾を明らかにする「マルクス経済学」の理論を作りだした。マルクスはまた思想家であるに止まらず、その科学的社会主義に基づいた理念を、第1インターナショナルの結成などに結びつけ、革命運動の先頭に立った。 → 社会主義運動
その思想はヘーゲル哲学から出発し、フォイエルバッハの唯物論、フランスの初期社会主義、イギリス古典派経済学を批判的に摂取して、独自の史的唯物論・弁証法的な階級史観などを体系づけた。とくにイギリス亡命中に書かれた『資本論』(第1部は1867年に発表)は、徹底的に資本主義の矛盾を明らかにする「マルクス経済学」の理論を作りだした。マルクスはまた思想家であるに止まらず、その科学的社会主義に基づいた理念を、第1インターナショナルの結成などに結びつけ、革命運動の先頭に立った。 → 社会主義運動