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第15章 二つの世界大戦

5 第二次世界大戦

Text p.329

ア.ナチス=ドイツの侵略と開戦
A. ナチス=ドイツ の強硬姿勢
・a オーストリア併合   1938年3月 ドイツ民族の統合を名目に、軍隊を派遣し併合。
  ヴェルサイユ条約およびb サン=ジェルマン条約 で併合を禁止されていた。
・さらにc チェコスロヴァキア に対し、d ズデーテン地方 の割譲を要求。
  ドイツ人住が多い地域であった。 → ヨーロッパに緊張はしる。
B.イギリスの 宥和政策 
・イギリス首相a ネヴィル=チェンバレン はb 宥和政策 をとる。
  = 前内閣の方針を引継ぎドイツの強硬な姿勢に譲歩して解決をはかる。
・1938年9月 c ミュンヘン会談  ズデーテン問題での4カ国会議。
  イギリス首相a ネヴィル=チェンバレン  フランス首相ダラディエが、
  ドイツ総統d ヒトラー 、イタリア首相e ムッソリーニ と会談。
 ※当事者であるf チェコスロヴァキア の代表は参加できず。
  → イギリス・フランスがドイツのg ズデーテン併合 を承認。
ミュンヘン会議

 ミュンヘン会談 の4首脳

・イギリスの意図:h 社会主義国ソ連の進出を恐れ、ナチス=ドイツとの対決をさける。 
  → ドイツ国内ではヒトラーへの賞賛が高まり、ナチス=ドイツの進出を許す。
C.ドイツの侵略開始
・1939年3月ドイツによるa チェコスロヴァキア解体 
  西半分のベーメン(ボヘミア)・メーレン(モラヴィア)を保護領、スロヴァキアを保護国とする。
・▲さらに、リトアニア西部の メーメル地方 を併合。
・ポーランドに対し、b ダンツィヒ ※の返還とc ポーランド回廊 ※※の陸上通路を要求。
  ※第1次大戦前はドイツ帝国領であったが、ヴェルサイユ条約で国際連盟管理下の自由市とされていた。
 ※※ドイツ本国と東プロイセンを結ぶ地域。第1次大戦でポーランド領とされていた。

Text p.330

・1938年4月 イタリアはd アルバニア を併合。
D.宥和政策の転換
・イギリス・フランスが、a 宥和政策 を捨て、軍備拡張を急ぐ。
  → ポーランドとギリシアに対し、安全保障を約束。
  → ポーランド、ドイツの要求を拒否。
・イギリス、フランスはソ連と軍事同盟の交渉にはいる。
 独ソ不可侵条約  の成立
・1939年8月23日 ソ連のa スターリン が、b ヒトラー と締結。
  = モロトフ=リッベントロップ条約ともいう。
 背景:c ソ連のスターリンは、イギリス・フランスの宥和政策に不信感を持った。 
  → ファシズムと共産主義が提携したことに世界中が驚く。日本の平沼内閣総辞職。
・両国のd 秘密議定書 が付帯。= 東ヨーロッパの分割と勢力圏の取り決め。
 内容 ドイツとソ連によるd ポーランド分割 
    ソ連のe バルト三国 併合をドイツが承認。
  → いずれも第二次世界大戦後にその存在が明らかになる。
ヒトラーとスターリン

E 独ソ不可侵条約 の戯画

 第二次世界大戦の勃発 
・a 1939年9月1日  ドイツ軍がb ポーランド侵攻 。「電撃戦」により圧倒。
  同  年9月3日 イギリス・フランスがドイツに宣戦。※
  同  年9月17日 c ソ連 もb ポーランド侵攻 
   → ソ連軍、ポーランド人約100万を拘束し、シベリアなどに流刑にする。
・e アメリカ合衆国 は参戦せず(▲f 中立法 は改正。武器輸出は可能にする。)
参考:奇妙な戦争
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イ.ヨーロッパの戦争
 スターリン体制 下のソ連の東欧侵攻
・1939年9月 ポーランド敗北、独ソでa ポーランド分割 
  同  年11月 b ソ連=フィンランド戦争 → ソ連、国際連盟から除名される。
 1940年 ソ連、c バルト三国 を併合。さらに、ルーマニアからベッサラビアを奪う。
  同  年 ▲ソ連軍、約1万5千人のポーランド軍将校をソ連に連行し虐殺( カチンの森事件 )。
 西部戦線   陸上では両陣営のにらみ合い続く。(上述の「奇妙な戦争」)
・1940年4月 ドイツ軍、a デンマーク ・b ノルウェー に侵入占領。
  同  年5月10日 ドイツ軍、c オランダ ・d ベルギー に侵攻。
      同日、イギリスでチャーチル戦時内閣成立。→6月 英仏軍 ダンケルク から撤退。
  同  年6月 フランスに侵攻し、e パリ占領 
   → ドイツ軍のロンドン空襲開始。
・ドイツ側にf イタリア参戦 
C 英仏の抵抗
・a フランス の敗北。第三共和政崩壊し、b ペタン内閣 が降伏。
  → 北半はドイツに占領され、南半をc ヴィシー政府 (ペタン内閣)が統治。
  → d ド=ゴール らロンドンに亡命、亡命政府(e 自由フランス政府 )を組織。
  → 国内でf レジスタンス 始まる。

Text p.331

・イギリス、1940年5月にe チャーチル 首相となる。(挙国連立の戦時内閣)
  →  ロンドン空襲 にたえ、ドイツ軍のイギリス上陸作戦を阻止する。
  →  北アフリカ戦線 で、イタリア・ドイツ連合軍と激戦。
・1941年3月 アメリカ合衆国 f F=ローズヴェルト 大統領三選。
  → g 武器貸与法 を成立させる。
  → イギリス・ソ連・中国など連合国に対し、武器・軍需品の援助をはじめる。
 ドイツのバルカン侵出   イタリア軍を支援して軍を派遣。
・1941年4月 a ユーゴスラヴィア とギリシアを占領。
  → ドイツ軍、ヨーロッパの過半を支配。
  → ユーゴスラヴィアではb ティトー 指導のc パルチザン による抵抗が始まる。
・ソ連、ドイツのバルカン侵攻に反発。→ 対ドイツ戦にそなえて日本と結ぶ。
 1941年4月 d 日ソ中立条約 締結。
  = 日本は、アメリカとの対立が深まっており、対米交渉の有利な条件とするのがねらい。
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ウ.独ソ戦と太平洋戦争
 独ソ戦の開始 
・1941年6月 ドイツa 独ソ不可侵条約 を破棄し、ソ連に宣戦。
  → イタリア・ルーマニア・フィンランドと共に侵入。→ 年末にモスクワに迫る。
 1941年7月 b 英ソ軍事同盟 成立。イギリス・フランス・ソ連の連携始まる。
・1941年8月 F=ローズヴェルトとチャーチル c 大西洋憲章 発表。(後出)
  → ファシズムに対抗する国際連帯を呼びけ、戦後の国際平和構想を提唱。
  → 1943年 ソ連、d コミンテルン 解散。英仏への協力姿勢を示す。

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B 戦争の長期化
・ドイツ、占領地から資源・食料・労働力を奪い、ドイツに連行、強制労働につかせる。
  → 支配地域への人種主義政策の強制。占領地でのa ユダヤ人 迫害を強化( ホロコースト )。
・1942年1月 ドイツ首脳のヴァンゼー会議で、ユダヤ人対策を決定。
  → ポーランドのb アウシュヴィッツ などのc 強制収容所 での大量殺害。
・ドイツ支配に対するd レジスタンス と武装抵抗運動(e パルチザン )が展開される。
・アジア、太平洋の戦争
 日本のインドシナ進駐  日中戦争の長期化 →日本経済を圧迫→ 南方進出論強まる。
・フランスの敗北 → 援蒋ルートの遮断をねらう日本軍、インドシナ侵出を実行。
・1940年9月 日本軍、a フランス領インドシナ北部 (北部仏印)に進駐
  同  年9月 三国防共協定をb 日独伊三国同盟 に発展させる。
 1941年4月 c 日ソ中立条約 締結。
   ← 日本は北方の安全を確保して、南進と対アメリカ戦に備える。
     ソ連は、バルカンに進出したドイツとの戦争に備え、東方の安全を確保する。
・1941年7月 日本軍、d 仏領インドシナ南部 (南部仏印)に進駐。
  → イギリス、アメリカとの対立が深刻となる。
・アメリカ、日本への経済的圧迫強める(39年、 日米通商航海条約の破棄 を通告)。
  → 41年3月 g 武器貸与法 により、イギリス・ソ連・中国など支援。
    41年8月 日本への石油輸出禁止。
 → 日本はアメリカ・イギリス・中国・オランダによる包囲網=e ABCDライン として反発。
 太平洋戦争  a 1941年12月8日  日本軍、ハワイのb 真珠湾 を奇襲。
・同時に、c マレー に上陸し、アメリカ・イギリスに宣戦布告。
 → ドイツ・イタリアが三国同盟に基づきd 対米宣戦 。e アメリカ参戦 
・開戦の意味
 f ヨーロッパとアジアの戦争が結びつき、アメリカが参戦し実質的な世界戦争に転換した。 
・日本軍、f 香港 攻略、イギリス軍を撃退。
 1942年1月 g フィリピン 侵攻、マニラを占領 → アメリカ軍を追撃。
  同  年2月 h シンガポール 占領 →  華僑虐殺事件 起こる。
  同  年3月 i ジャワ・スマトラ 侵攻、j インドネシア を占領
         k ビルマ 占領
         太平洋地域では、ソロモン諸島を占領。
・日本のアジア支配
 大東亜共栄圏 
・1940年7月  第2次近衛文麿内閣が発表。
 → 日本を盟主とした東アジアの経済・軍事ブロックを作り、白人支配を排除することを掲げる。
 a フィリピン 、b ビルマ (現ミャンマー)では親日政権をつくる。
 c インドネシア では親日組織を作る。
 d インドシナ 、e タイ では日本との協力を声明させる。

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B.朝鮮・台湾に対する支配の強化
・a 皇民化政策 を進める
 1940年 b 創氏改名 、日本語、神社参拝を強制など。
 1940~45年 国内の労働力不足を補うため、c 朝鮮人の強制連行 を行う。
    d 徴兵制 も実施(朝鮮では44年、台湾では45年から。その前は志願制)。
    ▲e 従軍慰安婦 の徴用などを行う。
C.東南アジアでの軍政と抵抗
・日本、欧米諸国の植民地支配からの解放を掲げるが、占領目的は資源の収奪
 にあったので、a 軍政 を強化。住民への残虐行為、強制労働などが続く。
・シンガポール、マレー半島、フィリピンでは住民への残虐行為や捕虜を含む強制労働が多発。
  → 反日感情強くなる。
 ▲ 北ベトナムでの大量餓死  1944~45年にかけて日本軍政下の北ベトナムで約200万人が餓死した。
 ▲b タイ とは同盟条約を締結、米英に宣戦布告。 泰緬鉄道 の建設。国内に反日組織が存在。
 ▲c 抗日武装闘争 が各地で起こる。:
   ホー=チ=ミン指導のd ベトナム独立同盟 
   フィリピンのe フクバラハップ 
   朝鮮の抗日パルチザンなど。
D.日中戦争下の中国
・1940年 ▲ 日華基本条約  日本と南京政府で締結。日本の華北への駐留権など承認。
 1943年1月 南京政府、米・英に宣戦布告 日本は 日華新協定 で租界還付・治外法権撤廃。
  同  年10月 米・英、中国との 不平等条約撤廃 を連合国宣言として表明。
・▲日本による中国人の強制連行 1943年から始まる。
  →1945年 花岡事件(秋田県の鉱山での反乱事件)起きる。
E 戦局の転換
・1942年6月 a ミッドウェー海戦  日本海軍、アメリカ海軍に敗北。 →戦局転換する。
 1943年 日本が主催し、b 大東亜会議 を開催。劣勢挽回のため、支配権強化を図る。
  = 日本の東条英機首相の呼びかけで、満州国、南京国民政府、タイ、フィリピン、ビルマ、
    インド(自由インド仮政府。親日派のチャンドラ=ボースが結成)が参加し、東京で開催。
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エ.ファシズム諸国の敗北
A 世界大戦の拡大  1941年12月 太平洋戦争の開始 → 二大陣営の対立の明確化
・    ┌────────┐             ┌────────┐
 ┌───┤ A 連合国  ├─────┐   ┌───┤ B 枢軸国  ├───┐
 │   └────────┘     │   │   └────────┘   │
 │                  │   │                │
 │┌─────資本主義国──────┐├→対←┤┌───f 三国同盟  ───┐│
 ││                ││   ││              ││
 ││a イギリス ・b フランス  ││   ││   g ドイツ      ││
 ││                ││   ││              ││
 ││c アメリカ ・d 中国    ││   ││   h イタリア     ││
 │└────────────────┘│   ││              ││
 │┌─────社会主義国──────┐│   ││   i 日本       ││
 ││                │├→立←┤└──────────────┘│
 ││     e ソ連       ││   │ 反自由主義、反共産主義を掲げ │
 │└────────────────┘│   │                │
 │   反ファシズムで一致※     │   │ ファシズム国家として結束※※ │
 └──────────────────┘   └────────────────┘
 
 ※42年1月1日 連合国共同宣言に加盟した国は合計26カ国。終戦時には51カ国に拡大。
 ※※その他の枢軸国 j フィンランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、  
 なお、スウェーデン、スペイン、エール(アイルランド)、スイス、トルコなどは中立政策をとった。
B 連合国の総反撃
・1942年後半から、総反撃に転じる。 ドイツ本土空爆 を展開。
  同  年11月 連合軍がa 北アフリカ上陸 
  同  年   アメリカが原子爆弾製造計画を開始( マンハッタン計画
・1943年2月 b スターリングラードの戦い でソ連軍が勝利。ドイツ軍の後退始まる。
  同  年3月 日本軍、c ガダルカナル撤退  → アメリカ軍、太平洋島嶼を北上開始。
  同  年   北アフリカ戦線でドイツ、イタリア軍が後退。
 イタリアの降伏  
・1943年7月 連合軍、a シチリア島 に上陸。ローマ空襲。→ファシスト党批判強まる。
      同月 国王、b ムッソリーニ を逮捕。ファシスト党解散。
         c バドリオ内閣 、休戦協定に調印。ドイツ軍が侵攻したため半島南端に遷都。
  同  年9月 連合軍イタリア本土上陸。ドイツ軍がローマを占領しb ムッソリーニ を救出、
    → イタリア社会共和国を建国。パルチザンによるドイツへの抵抗強まる。
 1945年4月 b ムッソリーニ 、パルチザンに捕らえられ、絞首刑とされる。
  →46年 国民投票で▲d イタリア共和国 となり、国王は退位し亡命。
 連合国の戦後対策 
・1941年8月 米英首脳a F=ローズヴェルト ・b チャーチル が大西洋上で会見、
  = c 大西洋憲章 を発表(前出)。戦後の国際協調の基本構想を示す。→ソ連などが賛同。
      12月 チャーチル、訪米( アルカディア会議 ) → 日本参戦への対応
 1942年1月 ソ連など26カ国が加わり、d 連合国共同宣言  戦後構想の原則を確認。
 1943年1月  カサブランカ会談 (モロッコ) チャーチル・F=ローズヴェルト
        → 北アフリカ戦線の視察、シチリア上陸作戦の決定
・1943年11月 e カイロ会談 :(エジプト)
         a F=ローズヴェルト ・b チャーチル ・f 蒋介石 
  → g カイロ宣言 : 対日処理方針、占領地の返還、朝鮮の独立など。
・ 同  年12月 h テヘラン会談 :(イラン)
         a F=ローズヴェルト ・b チャーチル ・i スターリン 
  → 第2戦線の形成、j ポーランド問題 ※とソ連の対日参戦を協議など。
補足:ポーランド情勢の深刻化
F.戦後構想の具体化進む
・1944年7月  ブレトン=ウッズ会議 (戦後経済体制の討議)
  同  年8月  ダンバートン=オークス会議 (国際連合憲章草案の討議)
      10月 チャーチル・スターリンのモスクワ会談:バルカン・ギリシアの パーセンテージ協定

Text p.335

 ヤルタ会談  1945年2月 クリミア半島での連合国三首脳会談
・a F=ローズヴェルト ・b チャーチル ・c スターリン の三首脳による
 d ヤルタ協定 の成立:
  戦後ドイツの4国管理、戦犯の裁判、非武装化。
  ポーランド、ユーゴの新政権樹立など。
  秘密条項でe 南樺太と千島列島の領有を条件にソ連の対日参戦 を決定。
 → ここで生まれたアメリカ・イギリスとソ連の二陣営による戦後国際政治を
   f ヤルタ体制 という。
・ 同  年4月 連合国、g サンフランシスコ会議 を開催。
  → 6月26日 h 国際連合憲章 を採択。(第16章1節参照)
ヤルタ会談

G ヤルタ会談 の三首脳 左から
 チャーチル 
 F=ローズヴェルト 
 スターリン   

 ドイツの降伏 
・1944年6月 連合軍のa ノルマンディー上陸作戦  アイゼンハウアー指揮
  同  年8月 パリ解放、b ド=ゴール 臨時政府を組織。
 1945年2月 連合軍による ドレスデン大空襲  死者6万。
             = 「ドイツのヒロシマ」と言われる。
  同  年4月 米ソ両軍、エルベ川に達する。ソ連軍のベルリン総攻撃始まる。
  同  年4月  ヒトラー自殺 、5月8日 c ベルリン陥落 
  → 同日、ドイツ無条件降伏。
 日本の無条件降伏 
・1944年7月 米軍、a サイパン 島・b レイテ 島を占領
  → 日本本土への爆撃開始。
ベルリン陥落

 ベルリン陥落  

 1945年2月 米軍、c フィリピン 奪回。マニラで多数の市民が犠牲となる。
      3月10日 ▲d 東京大空襲  B29による大空襲で死者約10万人。
      4月 e 沖縄 上陸。日本本土で戦場となる。
・1945年7月 f ポツダム会談 :ドイツの管理問題と日本への降伏勧告を協議。
     g トルーマン ・h チャーチル (途中からi アトリー )・j スターリン 
  →k ポツダム宣言 :米・英・中国の三国の名で発表(ソ連は対日宣戦布告後に参加)
 内容・軍国主義の除去 ・新秩序確立までの占領 ・主権を本州、北海道、四国、九州の4島などに局限
   ・日本軍の武装解除 ・戦争犯罪人の処罰 ・民主主義の復活、基本的人権の尊重、言論の自由など
  → 日本政府、「黙殺」の態度をとる。
 これとは別に、ドイツの非軍事化、非ナチ化、暫定国境などを定めたのが ポツダム協定
・アメリカがl 原子爆弾 投下。g トルーマン が決定。
  → 8月6日にm 広島 、9日にn 長崎 、合計約30万人が死亡。
・o ソ連の対日参戦 。 p ヤルタ協定 に基づき、q 日ソ中立条約 を破棄。
  → 8月8日 満州、朝鮮、樺太に侵攻。日本人捕虜の抑留。
  → 8月14日 ソ連は重慶の国民政府と、 中ソ友好同盟条約 を結ぶ。

Text p.336

・8月15日 日本、r ポツダム宣言受諾 。無条件降伏。
第二次世界大戦の終結
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オ.大戦の結果
1.原因と結果
1)戦争の原因:a ドイツ・イタリア・日本のファシズム国家が起こした侵略戦争が拡大した。 
 ・ファシズム国家は、自国の経済の行き詰まりという国内危機を、他国への侵略によって
  解決しようとしたが、その背景には、第一次大戦の勝利国である英・仏の過酷な賠償請求
  に対するドイツの反発、ファシズムの台頭を許した資本主義の矛盾やb 宥和政策 があった。
 ・ファシズム国家はc ヴェルサイユ体制 ・d ワシントン体制 という国際秩序の破壊をめざし、
  それに対してe 国際連盟 の集団安全保障体制が機能せず、戦火の拡大を許した。
2)大戦の拡大:第一次世界大戦は欧州地域中心であったが、この大戦は全世界に及んだ。
・ ヨーロッパ:ドイツ・イタリアの侵略戦争 →対ソ戦に進展 ┐
                              ├→a 世界戦争 に拡大
  アジアで:日本の中国への侵略戦争 → 太平洋戦争に進展 ┘
3)大戦の結果:a 連合国側の完全な勝利。ファシズム国家の敗北。 
 ・連合国:資本主義国アメリカ・イギリス・フランスと社会主義国ソ連が、反ファシズムで協力。
   → 大西洋憲章・ヤルタ体制など、戦後の国際秩序形成で合意。実質はアメリカの力による復興。
 ・ファシズム諸国:ドイツ・イタリア・日本が反自由主義・反社会主義で結束。
   → 共通して民族的優位感をもち、他民族への蔑視を隠さず、暴力的な占領地支配を行う。
   → 各地で民衆の抵抗運動を呼び起こす。結果として、戦後に植民地の独立があいつぐ。
 ・ドイツ・イタリア・日本はいずれも軍国主義・全体主義の指導者が一掃され、民主化が実現。
   → しかし、戦争責任の追及においては違いが見られる。
2.莫大な被害(1939年9月1日~1945年8月15日)(1956年 アメリカ統計局)
 ・直接死者  2500万人      ・間接的死者 1500万人
 ・負傷者   3400万人      ・戦費    1兆1500億ドル
 ・物的損害  4500億ドル     ・参加国   59カ国
 ・動員兵力  1億人
3.大戦のもたらしたもの
1)a 米ソ両国の役割の強化 :アメリカの参戦が連合国側の勝利をもたらし、またソ連の
 参戦が決定的な意味を持った。→ 戦後世界の両陣営の対立は、大戦中から予測される。
2)b 中国、アジア諸民族の自立 :中国は日本敗北後、抗日戦争で成長した共産党政権
 が国共内戦に勝利する。大戦を期にインド、インドネシア、朝鮮などのアジア諸国が独立。
3)c 核兵器の登場 :アメリカ軍による原子爆弾の使用は、人類の大きな汚点となる。
 → 米ソの核兵器開発競争とその行き過ぎに対する反省
4)d 国際連合の発足 :国際連盟に代わる新たな機関として、機能を強化させる。
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この節の小見出し
ア.ナチス=ドイツの侵略と開戦
イ.ヨーロッパの戦争
ウ.独ソ戦と太平洋戦争
エ.ファシズム諸国の敗北
オ.大戦の結果

目 次

序章 先史の世界

1章 オリエントと地中海世界

2章 アジア・アメリカの文明

3章 東アジア世界

4章 内陸アジア世界

5章 イスラーム世界

6章 ヨーロッパ世界の形成

7章 諸地域世界の交流

8章 アジア諸地域の繁栄

9章 近代ヨーロッパの成立

10章 ヨーロッパ主権国家体制

11章 欧米近代社会の形成

12章 欧米国民国家の形成

13章 アジア諸地域の動揺

14章 帝国主義と民族運動

15章 二つの世界大戦

16章 冷戦と第三世界の自立

17章 現代の世界