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第16章 冷戦と第三世界の自立

1 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立

Text p.337

ア.戦後構想と国際連合
 戦後構想の形成 
・1941年8月 米英首脳 a 大西洋憲章 発表。
  米:b F=ローズヴェルト  英:c チャーチル 両首脳が大西洋上で会談し合意。
  内容:d 領土の不拡大、不変更・民族自決・貿易の自由・国際平和機構の再建などを提唱。 
   → 戦後の民主主義と国際協調の基本構想を示す。→ ソ連など15カ国が賛成、
 1942年1月 e 連合国共同宣言 として確認(26ヵ国)。
 1943年10月 米英ソの三国外相会談によるf モスクワ宣言 。国際平和機構設立で合意。
・1944年8~10月 g ダンバートン=オークス会議  ワシントン郊外で開催された
   米・英・ソ連・中国の4大国専門家会議 → 国際連合憲章の草案まとまる(拒否権問題残る)。
 1945年2月 h ヤルタ会談 で合意(拒否権など)。
・1945年4月 i サンフランシスコ会議  連合国側の50ヵ国が参加。
      6月26日 j 国際連合憲章 を採択。(8月15日 日本降伏の前であることに注意)
    → 10月24日発効。

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 国際連合 の発足 
・1945年10月24日 a 「連合国」 のb 51ヶ国 で発足。本部ニューヨーク。
・c 総会 :全加盟国が参加。一国一票。多数決で採決。
・d 安全保障理事会 :e 常任理事国 =e 米・英・仏・ソ連・中国 の5カ国。
   大国一致の原則に則り、常任理事国はf 拒否権 を持つ。
   非常任理事国は当初6ヵ国(現在は10ヵ国)、任期2年、1年ごとに半数を改選。
   権限:g 集団安全保障の理念に基づき、違反国には軍事的制裁を加えることができる。 
   → 安全保障理事会の決議によりh 国連軍 を設置することができる。
・主要機関 事務局( 事務総長 )・ 経済社会理事会 信託統治理事会 国際司法裁判所 (ハーグ)
・専門機関 i ユネスコ (国際連合教育科学文化機関) h ILO (国際労働機関)
      j WHO (世界保健機構)  補助機関 k ユニセフ (国連児童基金)など
・1948年12月 第3回総会でl 世界人権宣言 採択。(法的拘束力はない)
・補足1:国連の理念=国際連盟の 集団安全保障 の理念を継承し、さらに実効性のあるものにした。
     軍事同盟による勢力均衡政策ではなく、戦争を原則的に否定し、違法な戦争を起こした国に対して
     加盟国全体で制裁を加えるという考え。
   ※各国の自衛権、および 集団的自衛権 は認められているが、その行使は安保理の処置が出されるまでの、
    あくまで緊急時の防衛活動のみに限定されている。
・補足2:国際連合と、戦前の国際連盟との相違点
  1. 紛争解決のための手段として軍事的制裁を加えることができるとしたこと。 
  2. 当初からアメリカ合衆国とソ連という二大国が加盟したこと。 
  3. 総会は全会一致ではなく、多数決で決定できるとなったこと。 
 国際金融・経済協力体制   
・1944年7月 a ブレトン=ウッズ会議  開催。
  b 国際通貨基金(IMF) とc 国際復興開発銀行(IBRD) の設立を決定。45年末発足。
    = 各国の通貨安定のための基金を設け、救済と融資を行う。アメリカが最大の出資国となる。
  アメリカのd ドル を基軸通貨とするe 固定為替相場制 による国際通貨体制が定められた。
    = 金1オンスを35ドルと交換。ドルと日本円の交換比率は1ドル=360円に固定された。
  → 戦後、f アメリカ合衆国 による世界経済支配が強まる。
・1947年10月 g 関税と貿易に関する一般協定(GATT) が成立。
  = 戦前のブロック経済による貿易の停滞が世界経済を悪化させ、戦争の要因となったことを反省し、
    高関税やその他の貿易障壁を除去して自由貿易を推進し世界貿易と経済の発展を促す事を目ざす。
・これで成立した戦後世界の経済体制を▲h ブレトン=ウッズ体制  という。
  意義=i 戦後の世界経済を安定させるとともに、アメリカ合衆国の経済的覇権が確立した。 
 → 1971年のアメリカのドルショック、1973年のオイルショックによって崩壊する。(後出)
 → 1995年 GATTにかわり、世界貿易機関(WTO)設置。

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・敗戦国に対する処置
1. ドイツの分割占領 
・1945年5月 連合国(米・英・仏・ソ連)軍が進駐し、ドイツ政府を拘束。
・分割占領:▲4ヵ国宣言(ベルリン宣言)ドイツのa 4ヵ国分割占領と共同管理 
      (管理理事会による調整)、および旧首都b ベルリンの分割管理 を決定。(6月)
・占領政策:米・英・ソ連3国によるc ポツダム協定  ドイツ占領の原則決定。(8月)
       = ドイツの民主化、非ナチ化、非軍事化、非独占化(集中の排除)、分権化を掲げる。
・国境の策定:ポーランドとの国境は暫定的に▲d オーデル・ナイセ線 とされる。
  → 旧ドイツ領から、約1100万人が強制的に現ドイツ領内に移住させられる。
・戦争犯罪の断罪:e 国際軍事裁判所 をf ニュルンベルク に設置。45年11月~46年10月
  → 平和に対する罪、人道に対する罪などでナチス指導者をさばく。絞首刑12名、終身刑3名。
    ドイツではその後も国内法(非ナチ化法)による ナチス裁判 でその犯罪が追求された。
 ・g オーストリア はドイツと切り離され、同じく4国による共同管理とされる。

地図:ドイツとベルリンの分割管理

ドイツ・ベルリンの分割管理
 分割管理区域
 a  イギリス 
 b  フランス 
 c  アメリカ 
 d  ソ連 

 e  ポーランド・ソ連 
   行政下に置かれた地域
2.枢軸国との講和条約
・1947年2月 a パリ講和条約  ドイツ以外の旧枢軸国との講和条約成立。
  旧枢軸国=b イタリア ・ルーマニア・ブルガリア・ハンガリー・フィンランド
  → 敗戦国の領土変更。賠償についての規定。
イタリア講和条約  海外領土の放棄、トリエステは国連管理下の自由地域とする。
3.日本の民主化
・1945年8月15日 a ポツダム宣言 を受諾、無条件降伏し連合軍の占領開始。
  → ▲ 連合国軍最高司令部 (GHQ) 最高司令官▲b マッカーサー が指導。
・c 日本の民主化 (戦後改革)
  軍隊の解散、財閥解体、農地改革、教育改革、天皇の人間宣言、国家神道の廃止など。
・東京裁判 1946年5月~48年11月 d 極東国際軍事裁判所 設置。戦争犯罪に対する裁判。
  → e 東条英機 元首相ら絞首刑7名、終身刑16名など。▲f 昭和天皇 は不起訴。
・1946年 g 日本国憲法 公布。11月3日公布 47年5月施行。
  → 主権在民・戦争放棄・基本的人権の尊重などを明記。
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イ.ヨーロッパの東・西分断
・西ヨーロッパ諸国の動向

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1. イギリス 
・1945年7月 総選挙でa 労働党 が圧勝、チャーチルが退陣し、b アトリー 内閣成立。
 → c 重要産業国有化 を実施、d 社会福祉政策 の充実を図る。
 → 「ゆりかごから墓場まで」を掲げる。
・外交 一方で、e インド独立 を認め、f パレスチナ から撤退。
    1949年 エールがイギリス連邦を脱退 g アイルランド共和国  となる。
2. フランス 
・亡命政府(自由フランス政府)を指導した▲a ド=ゴール が臨時政府を組織。
  → 総選挙で共産党、社会党が躍進。 → 46年1月 議会と対立して辞職。
・1946年10月 新憲法成立し、b 第四共和政 が発足。
  ▲c フランス共産党 が第1党となるが、他に小政党も乱立。 → 政情不安続く。
3. イタリア 
・1945年末 a キリスト教民主党 が政権担当。 
・1946年 国民投票でb 王政廃止 し、共和政となり、「イタリア共和国」となる。
  → ▲c イタリア共産党 の台頭。書記長トリアッチ。ヨーロッパ最大の共産党勢力となる。
・その他 スペインでは フランコ 政権、大戦中に中立を守り、戦後も独裁体制を続ける。
・東ヨーロッパ諸国の動向
1. 東ヨーロッパ社会主義圏 
・a ソ連 の指導で各国のb 共産党 を中心とした人民戦線勢力が結集し、
 c 人民民主主義 をかかげる政権が次々に生まれる。
 =d ポーランド ・e ハンガリー ・f ルーマニア ・g ブルガリア 
  ・h ユーゴスラヴィア ※・i アルバニア 
 → 土地改革と、計画経済に基づく工業化を進める。次第にソ連のj 衛星国 化する。
※は間もなく独自路線を採る。
2.独自の動き
 ユーゴスラヴィア  b ティトー の指導によりナチスから自力解放を勝ち取る。
   → ソ連に対する独自の社会主義路線をとる。
   → 1948年 c コミンフォルムから除名 される。(後出)
補足:ユーゴスラヴィア社会主義共和国連邦
・d チェコスロヴァキア  ベネシュ が大統領となり西欧的な議会制民主主義を維持。
・東西対立の深刻化
 ”二つの世界”の対立 
・ヨーロッパの社会主義勢力の拡大
 
 フランス、イタリアのa 共産党 の躍進 ┐   アメリカ合衆国など西欧諸国で、c ソ連 
                     ├─→
 b 東ヨーロッパ社会主義圏 の成立   ┘   を中心とした社会主義勢力への警戒心強まる。
 
・1946年 イギリス前首相d チャーチル 、アメリカのフルトンで演説。c ソ連 を非難。
  ”バルト海の ステッテン からアドリア海の トリエステ までe 「鉄のカーテン」 を降ろしている”
・東西陣営の形成
 
     ┌西側=f アメリカ・イギリスなど、資本主義・議会制民主主義の陣営 
  対立 ┤
     └東側=g ソ連・中国など、社会主義・共産党による一党独裁体制の陣営 
 
 冷戦 の開始  →両陣営の対立 a 冷たい戦争  と言われるようになる。
・1946年 b ギリシア の内戦 イギリスが支援して王政を復活させるが共産党勢力との内戦となる。
・1947年3月 アメリカc トルーマン=ドクトリン を発表。=d 「封じ込め政策」 の開始。
  → b ギリシア の共産勢力を抑え王政復古させる。
    e トルコ への支援を行い、共産化を阻止。

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・1947年6月 アメリカ、f マーシャル=プラン 発表 国務大臣g マーシャル 
  =h ヨーロッパ経済復興援助計画 
  ねらい=i ヨーロッパ諸国の経済を復興させ、共産党勢力の浸透の防止をねらう。 
  → 西側諸国は受け入れ、▲j ヨーロッパ経済協力機構(OEEC) ※を結成、
    ソ連・東ヨーロッパ諸国は拒否。 ※は1961年に経済協力開発機構(OECD)に改組。
 ソ連・東欧圏の結束 
・1947年9月 ソ連・東欧諸国の共産党が、a コミンフォルム (共産党情報局)を結成。
  → 西側のマーシャル・プランに対抗。フランスとイタリアの共産党も参加。
・1949年1月 ソ連・東欧6カ国 b 経済相互援助会議(コメコン) 発足。
 加盟国=h アルバニア、ブルガリア、チェコスロヴァキア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア 
      その後、東ドイツ(50年)、モンゴル(62)、キューバ(72)、ベトナム(78)が参加
  → 55年 ワルシャワ条約機構に発展。(後出)
 北大西洋条約機構(NATO)  の結成
・1948年2月 a チェコスロヴァキアのクーデタ  共産党が権力にぎる。
  → 西側諸国に共産党によるクーデターへの警戒が強まる。
・1948年3月 西欧5ヶ国 b 西ヨーロッパ連合条約 (ブリュッセル条約)締結。= 西欧同盟
    加盟国=c イギリス・フランス・ベルギー・オランダ・ルクセンブルク 
 1949年4月 d 北大西洋条約機構(NATO) 結成
        (アメリカは48年に上院で ヴァンデンバーグ決議 を可決し孤立主義を放棄した。)
   目的 =e 東側の社会主義圏からの武力侵略に対する集団的自衛をはかる軍事同盟 
   加盟国 =西欧同盟5ヵ国に次の7ヵ国を加えた12ヵ国で発足。
    e アメリカ合衆国・カナダ・ノルウェー・デンマーク・アイスランド・イタリア・ポルトガル 
・ドイツの分裂
 ベルリン封鎖  米・英・仏管理地区(西)とソ連管理地区(東)の分断進む。
・1948年6月 米・英・仏が、ソ連に無通告で西側管理地区のa 通貨改革 断行。
  → ソ連、反発して、共同管理下のb 西ベルリン への出入り路を封鎖。最初の東西衝突の危機。
  → 西側3国は生活必需品の空輸作戦で対抗。→ 49年5月 封鎖解除。
 東西ドイツの分離   1949年 東西に別個の国家が成立。
・西側管理地区:5月  西ドイツ基本法 成立。a ドイツ連邦共和国 となる。=b 西ドイツ 
        暫定首都ボン。c キリスト教民主同盟 (首相d アデナウアー )内閣成立。
 1954年 e パリ協定  国家主権を回復、▲f NATO に加盟しg 再軍備 が認められる。
  → 「奇跡の経済復興」をとげる。 → 55年 西ドイツとソ連、国交を回復
・ソ連管理地区:10月 h ドイツ民主共和国 となる。=i 東ドイツ  首都東ベルリン
  j 社会主義統一党 (共産党と社会民主党が合同) ウルブリヒト 第一書記が権力を握り集団化進める。
 ▲1953年  ベルリン暴動  ノルマ強化に反発した労働者のストライキをソ連軍が出動し鎮圧。
・オーストリア、1955年、米・英・仏・ソ連がk オーストリア国家条約 締結。
  → 4カ国共同管理が解消され、l 永世中立国 として独立を回復。

地図:1955年のヨーロッパ

1955年のヨーロッパ

・NATO加盟国 (他にアメリカ合衆国とカナダ)

 1. イギリス   2. フランス   3. ベルギー
 4. オランダ  5. ルクセンブルク  6. ノルウェー
 7. デンマーク  8. アイスランド  9. イタリア
 10. ポルトガル  11. 西ドイツ  12. ギリシア
 13. トルコ

・ワルシャワ条約機構加盟国

 14.~20. ソヴィエト社会主義共和国連邦
  14. ロシア  15. ベラルーシ  16. ウクライナ
  17. モルドバ  18. エストニア  19. ラトヴィア
  20. リトアニア
 21. ポーランド  22. ハンガリー  23. ルーマニア
 24. ブルガリア   25. 東ドイツ
 26. チェコスロヴァキア  27. アルバニア

・独自社会主義路線国

 28. ユーゴスラヴィア

・中立国

 29. オーストリア  30. スイス  31. スペイン
 32. アイルランド  33. ノルウェー  34. フィンランド

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ウ.東アジア・東南アジアの解放と分断
・中国の激動

Text p.342

 国共内戦   
・1945年8月 日本軍の降伏。
  → a 国民党 のb 蒋介石 とc 共産党 のd 毛沢東 が、重慶で初めて会談。
・ 同  年10月 ▲ 双十協定 が成立、 政治協商会議 の開催が決まり、翌年開催されるが決裂。
・1946年6月 全面的な内戦に突入。
  a 国民党 (b 蒋介石 が指導) → 1947年 新憲法発布 翌年総統となる。
    → アメリカが指導。外国資本の買弁化し、政権内部の腐敗・汚職が続き民衆の支持無くなる。
  c 共産党 (d 毛沢東 が指導) → ▲e 新民主主義論 を提示。農村の土地改革を実施。
    → 47年なかごろ▲f 人民解放軍 が各地で攻勢に出る。
 1949年12月 国民党軍、敗れてg 台湾 に逃れ、h 中華民国政府 を維持。
 中華人民共和国 の成立 
・1949年9月 共産党、a 人民政治協商会議 召集。新国家建設を決議。
  = 共産党と各界代表(国民党を除く)、民主勢力を結集。
・1949年10月1日 B 中華人民共和国 の建国を宣言。
  b 毛沢東 主席・c 周恩来 首相 首都をd 北京 とする。
  → e 社会主義国 の建設始まる。
 1950年2月 モスクワでf 中ソ友好同盟相互援助条約 締結。
  → アメリカ・日本を仮想敵国とし、社会主義陣営に加わる。
中華人民共和国の建国

建国宣言をするb 毛沢東 
右端がc 周恩来  

 1950年6月 ▲g 土地改革法 農民に土地を配分。また財閥企業を国営に移す。
・  同  年10月 h 朝鮮戦争 に参戦。(次節で説明)
・1953年 i 第1次五カ年計画 に着手。
       ポイント=j 工業化と農業集団化の推進 
・1954年 i 中華人民共和国憲法 制定。新民主主義に基づく社会主義国家の建設。
  → 社会主義国、インド・イギリスなどは中華人民共和国を承認。アメリカは
    k 台湾 のl 中華民国政府 を中国の正式代表とし中華人民共和国を承認せず。
・アジア諸民族の自立
1. 朝鮮の分断    1943年のa カイロ会談 で戦後の独立、保証される。
・1945年8月15日 日本の植民地支配終わる。= 光復節という。
  → 日本撤退に伴い北部にソ連軍、南部に米軍が進出。b 北緯38度線 で南北に分断される。
 1947年 国連、南北同時選挙を決議、ソ連が拒否。アメリカが南だけの単独選挙を強行。
  → 1948年4月、 済州島四・三事件  単独選挙に反対した民衆蜂起が軍によって弾圧される。
・1948年 南部にc 大韓民国 成立。総選挙でd 李承晩 を大統領に選出。
       北部にe 朝鮮民主主義人民共和国 成立。最高人民会議で首相にf 金日成 選出。
  → 1950年 南北対立からf 朝鮮戦争 が勃発(後出)
2. フィリピン   1945年3月 日本軍撤退。マニラ市街戦で10万人が犠牲になる。
・1946年 アメリカからa フィリピン共和国 独立宣言。
 1951年 a 米比相互防衛条約 締結 → 親米反共路線へ転換。
  → 抗日ゲリラ組織 ▲b フクバラハップ は抗米闘争続ける。
  → 1955年に鎮定される。

Text p.343

3. インドネシア   大戦中からa オランダ オランダからの独立運動続く。日本軍に協力。
・1945年8月17日b インドネシア共和国独立宣言 。c スカルノ 大統領となる。
  → a オランダ が植民地再開を目指し、武力介入。
・1947年 d インドネシア独立 戦争始まる。→ 国連が仲介、
 1949年  ハーグ協定 が成立。オランダとの連合国家、 インドネシア連邦共和国 となる。
・1950年 オランダとの連邦を解消し、d インドネシア共和国 を再発足させる。
  → b スカルノ の指導のもと、多様な民族の統一を模索。
4. ベトナム の独立
・日本占領下の1941年にa ホー=チ=ミン がb ベトナム独立同盟(ベトミン) を結成。
  → 日本軍撤退後、c フランス の植民地支配が復活。
・1945年 d ベトナム民主共和国 の独立宣言。
・1946年 e インドシナ戦争 勃発。フランスが独立を認めず、武力弾圧開始。
  → 1949年 フランス、f バオ=ダイ (阮朝最後の王)をたてg ベトナム国 とする。
・1954年 h ディエンビエンフーの戦い  仏軍大敗。→i ジュネーブ協定 成立。
  → フランス、インドシナから撤退。j 北緯17度線 を軍事境界線とする。
 1955年 南部にk ベトナム共和国 成立(ゴ=ディン=ディエム政権)。→ アメリカが支援。
  → ベトナムは南北の分断状態となる。 → ベトナム戦争(後出)
・その他のインドシナ諸国  いずれもc フランス から独立。
  ・l カンボジア  1949年 独立。m シハヌーク の指導で中立政策を進める。
  ・n ラオス  1946年 独立。左右の対立で内戦が始まる。

地図:アジア諸国の独立(東アジア・東南アジア・南アジア)

アジア諸国の独立

・イギリスからの独立国

 1. インド   2. パキスタン  3. ビルマ
 4. セイロン   5. マレーシア

・フランスからの独立国

 6. ベトナム   7. カンボジア   8. ラオス

・オランダからの独立国

 9. インドネシア

・アメリカからの独立国

 10. フィリピン

・日本からの独立国

 11. 大韓民国   12. 朝鮮民主主義人民共和国  

・新国家を建設(旧満州国を含む)

 13. 中華人民共和国  

・戦前からの独立国

 14. タイ   15. モンゴル   16. アフガニスタン   

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エ.南アジア・西アジア・アラブ世界の自立への模索
1.インドとパキスタン イギリスの植民地からの独立運動続く。→ 宗教対立表面化。
 インドの分離独立 
・第二次世界大戦前から、宗教的対立が続く(コミュナリズム問題)。

    ┌ a 全インド=ムスリム連盟 のb ジンナー :パキスタンの分離・独立を主張。
 対立 ┤
    └ c インド国民会議派 のd ガンディー :統一インドを主張。
・第二次世界大戦後、イギリスの労働党e アトリー 内閣、植民地政策の転換。
 1947年 f インド独立法 制定。分離独立を承認。 = イギリス帝国の終結。

   g ヒンドゥー教徒 主体のh インド連邦  ┐
                         ├ 分離独立(イギリス連邦には留まる)
   i イスラーム教徒 主体のj パキスタン  ┘
 
  → 新国境の策定により両教徒がそれぞれの国へ大移動。衝突事件が多発した。

Text p.344

B 両国の対立
・1947~49年 a カシミール 帰属問題※をめぐりb 第1次インド=パキスタン戦争 起こる。
 ※藩王国の国王はヒンドゥー教徒であったが、住民の大部分はイスラーム教徒である。
・インドの動き  初代首相c ネルー 
 1948年 d ガンディー暗殺 、急進的なヒンドゥー教徒に暗殺される。
 1950年 カースト制の禁止などを含む インド憲法 を制定。アンベードガル(不可触民出身)らが起草。
  → イギリス連邦から離脱し、e インド共和国 となる。(初代大統領プラサド)
・パキスタンの動き イギリス連邦内の自治領として独立。初代総督はf ジンナー 
  インドの東西に領土が分かれる(東パキスタンは現在のバングラデシュ)。
 1956年 イギリス連邦から離脱し、国名をパキスタン=イスラーム共和国とする。
  → 58年 アユーブ=ハーン、軍事クーデターで独裁権を握る。
 現在も両国の対立続く。
2.その他のイギリス植民地の独立
・a セイロン  1948年 自治領として独立。
  → 1960年からバンダラナイケ首相(世界最初の女性首相)
  → 1972年にb スリランカ に改称。
・c ビルマ  タキン党の▲d アウンサン の指導でイギリスから独立運動。
  → 一時日本の支援を受けるが、1944年から抗日戦に転じる。
 1948年 e ビルマ連邦共和国 として独立。
 1962年 ネ=ウィン政権(社会主義を標榜する軍事政権)成立。
  → 1989年 ビルマ軍事政権、国号をf ミャンマー に改称。
・マレー半島 1957年 g マラヤ連邦 として独立。
 1963年 シンガポール・英領ボルネオと合体してh マレーシア連邦 となる。
・i シンガポール  華人が多数を占める。マレー人の多いh マレーシア連邦 からの分離要求強まる。
  → 1965年 分離独立。経済成長を遂げる。
3.イラン  a パフレヴィー朝 が存続、1935年から国号をb イラン とする。
・第2次大戦中、イギリス・ソ連が進駐 → 民族主義運動強まる。
  → イギリス資本のc アングロ=イラニアン石油会社 に対し、国有化を求める運動起きる。
・1951年 イラン国民議会がd 石油国有化 を可決。e モサデグ 首相が断行。
  → イギリスの対抗により、石油減産 → 財政難に陥る。
・1953年 アメリカのCIAが画策したf イラン=クーデター でe モサデグ 政権倒れる。
  → g パフレヴィー2世 の独裁体制強化。親英米路線に転換し上からの近代化路線を進める。
4.アラブ世界の動向
 パレスチナ問題 の発生 19世紀末からa ユダヤ人 のb シオニズム 運動が強まる。
・第一次世界大戦中、c バルフォア宣言 でパレスチナでのユダヤ人国家の建設を認める。
  → 大戦後、パレスチナはd イギリスの委任統治領 となる。
  → a ユダヤ人 のパレスチナ移住が始まる。
・1930年代以降 ドイツでナチスが台頭 → ヨーロッパ各地からユダヤ人の移住続く。
  → アラブ側にユダヤ人入植反対運動起きる。ユダヤ人も反イギリスの活動を強める。
・1945年3月 エジプトなどのアラブ7ヶ国 e アラブ諸国連盟 を結成。
   加盟国=f エジプト・レバノン・シリア・イラク・トランスヨルダン※・サウジアラビア・イエメン 
   → アラブ諸民族の統一行動強まる。 → パレスチナにおけるユダヤ人との対立を強める。

地図:戦後の西アジア諸国

戦後の西アジア諸国

・アラブ連盟加盟国

 1. エジプト 
 2. レバノン 
 3. シリア 
 4. イラク 
 5. トランスヨルダン 
   → (1949年に) ヨルダン に改称
 6. サウジアラビア 
 7. イエメン 

・ユダヤ民族の建国

 8. イスラエル 

・その他

 9. トルコ 
 10. イラン 
 11. アフガニスタン 

 イスラエル の建国
・1947年 イギリス(労働党政府)がパレスチナ撤退を決定。
・1947年11月 a 国際連合 の総会、b パレスチナ分割決議 
  を採択。 = パレスチナをユダヤ国家とアラブ国家に分割し、
  c イェルサレム は国連管理下に置く案。
   → ユダヤ人側は受け入れる。
・1948年5月 B イスラエル 建国宣言。(テルアビブにて)
  初代首相 ベングリオン 。アメリカ・イギリスが支援、ソ連も承認。
  → アラブ側川は一斉に反発。
 パレスチナ戦争  1948年5月~49年3月 
・a イスラエル に対し、b アラブ諸国連盟 軍が攻撃。
  → イスラエルが圧勝する。 = C 第1次中東戦争 ともいう。
 理由:アラブ諸国は王制国家の連合体で結束力が弱く装備も古かった。
・1949年7月 停戦
  → a イスラエル 、国連決議よりも広範囲な地域を占領。
    1950年にはc イェルサレム を首都とすることを宣言。
  → エジプトはd ガザ地区 を占領。
    ヨルダンはe ヨルダン川西岸 を占領。
・結果 アラブ人国家は建設されず、f パレスチナ難民 が発生。
  → 100万人以上がヨルダン、レバノンなどに逃れる。

A 国連分割案   B 戦争後の状況

第1次中東戦争

 1. イェルサレム  2. ガザ 
 3. ユダヤ人地区   4. アラブ人地区 
 5. 国連管理地区 
 6. イスラエル占領地域 
 7. ヨルダン 占領地域=e ヨルダン川西岸 
 8. エジプト 占領地域=d ガザ地区 

 1952年 f エジプト革命 が起き、アラブ側の変革始まる。
 1964年 パレスチナ人、g パレスチナ解放機構(PLO) を結成。(第17章3節へ)
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ア.戦後構想と国際連合
イ.ヨーロッパの東・西分断
ウ.東アジア・東南アジアの解放と分断
エ.南アジア・西アジア・アラブ世界の自立への模索

目 次

序章 先史の世界

1章 オリエントと地中海世界

2章 アジア・アメリカの文明

3章 東アジア世界

4章 内陸アジア世界

5章 イスラーム世界

6章 ヨーロッパ世界の形成

7章 諸地域世界の交流

8章 アジア諸地域の繁栄

9章 近代ヨーロッパの成立

10章 ヨーロッパ主権国家体制

11章 欧米近代社会の形成

12章 欧米国民国家の形成

13章 アジア諸地域の動揺

14章 帝国主義と民族運動

15章 二つの世界大戦

16章 冷戦と第三世界の自立

17章 現代の世界