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コプト教会

キリスト教の単性説がエジプトで残った教会。

コプト教会はエジプトのキリスト教徒のこと。コプトとはエジプト人を指すギリシア語(アイギュプトス)のアラビア語なまりである。紀元2世紀ごろからローマ支配下のエジプトで広がったキリスト単性説を信仰する人々である。東ローマ帝国の時代になり、451年のカルケドン公会議が開催され、単性説は異端であると退けられたが、エジプトでは信仰が守られた。またエチオピアに成立したアクスム王国でもコプト教会が受容された。
 641年、イスラーム勢力がエジプト征服を行うと、コプト教会信者の多くはイスラームに改宗したが、現在のエジプトの人口の10%程度がコプト派キリスト教徒として存続し、カイロにはその総本山がある。近代ではイギリスの植民地支配に協力することが多かったので、イスラーム過激派との間で衝突事件も起きている。

Episode 豚インフルエンザとコプト教徒

 2009年5月、新型インフルエンザが世界的に猛威を振るい、豚から人への感染が騒がれたとき、エジプト政府は国内で飼育されている豚約35万頭の豚の全頭処分に着手した。ところが、それに対して、養豚業を手がけてきたキリスト教系コプト教徒が強く反発し、カイロなどで抗議行動が激しくなった。豚を「不浄な動物」とみなす多数派のイスラーム教徒との宗教上の軋轢が高まったという。カイロのある地区では約3万5千人のコプト教徒が、ごみ処理と養豚で生計を立てており、6万頭の豚が飼育されているが、5月3日にはこの地区でも機動隊に守られた保健当局が豚を処分しようとして騒ぎとなった。まだ患者が出ていないのに、政府が予防措置として豚の処分を開始したのは、世論の後押しがあるからで、イスラーム教徒の多数派は「イスラーム国家のエジプトで豚を飼うべきでない」と政府を支持しているという。<朝日新聞 2009.5.10 朝刊>
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第1章3節 ク.迫害から国教化へ