マレー人
マレー半島から東南アジアの諸島部に活動する民族。港市国家を発展させイスラーム化した。19世紀にイギリスの植民地となり、大戦後の1957年にマラヤ連邦として独立、さらに1963年マレーシア連邦となった。
現在のマレー半島やスマトラ島、ボルネオ島などに広がるオーストロネシア語族(かつてはマレー=ポリネシア語族と言われた)に属するマレー語を話す人々。東南アジアの諸島部(島嶼部)に広く分布し、海上の交易活動に従事し、海岸部に港市国家を生み出していった。
シュリーヴィジャヤとマラッカ王国
7~14世紀にはスマトラ島からマレー半島にかけてシュリーヴィジャヤ王国が繁栄し、大乗仏教が盛んになり、唐の僧義浄なども訪れている。14世紀にはマラッカ海峡を抑えたマレー人のマラッカ王国が、インド洋と中国海域を結ぶ海上交易で繁栄するとともに、多くのアラビア商人が活動したことによって国王がイスラーム教に改宗し、東南アジアのイスラーム化が一気に進むことになる。マラヤ連邦とマレーシア
近代では東南アジアの植民地分割が進む中で、マレー半島はイギリス植民地イギリス領マラヤとなり、錫やゴムなどの工業原料の生産地とされていった。第二次世界大戦での日本軍の軍政下に置かれた後、1957年にマラヤ連邦として独立したが、すでにマレー人以外の中国人やインド人も多数を占めるようになって民族対立が生じていた。1963年、マレーシアが成立したが、中国系が優位であったシンガポールが1965年に分離した。