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ノルマン人/第2次民族大移動

ゲルマン人の一部のノルマン人が、9~11世紀に北ヨーロッパから各地に移動を行い、中世社会に大きな変化をもたらした。

 ノルマン人はインド=ヨーロッパ語族のゲルマン人に属し、スカンディナヴィア半島やユトランド半島(デンマーク)で、狩猟や漁労に従事し、造船や航海術にたけた民族だった。4~6世紀のゲルマン人の民族大移動の時期には北ヨーロッパに止まっていたが、8世紀ごろから人口増加は始まり、9世紀になるとさかんに海上に進出して海賊を兼ねながら交易に従事するようになった。このような9~11世紀のノルマン人の移動は、第2次民族大移動ともいわれている。

ヴァイキング

 彼らは、フランク王国の分裂に乗じて、海岸を荒らし回り、さらに底の平らな船で川を遡り、内陸深く侵入して掠奪を重ね、とくに西フランクでは大いに恐れられた。西フランク王国から奪った女性や子供を、遠くイスラームに奴隷として売り飛ばし、イスラームから多量の貨幣を得ていた。(現在もバルト海の島々の遺跡から、アッバース朝のバグダードで鋳造された貨幣が大量に出土する。)そのような一面から彼らはヴァイキング(入り江の民、の意味)と言われ恐れられた。 → 北欧諸国 民族移動

ノルマン人の活動範囲

 ノルマン人の民族移動は海上活動によるものであったので、非常に広範囲に及んでいる。彼らの主な移動先は次のようにまとめることができる。  ノルマン人は征服活動を展開したが、その地の先住民の文化と同化し、ノルマン人としての個性を維持することは少なかった。
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