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アッバース1世

イランのサファヴィー朝全盛期の王(シャー)。1597年、イスファハーンに遷都する。オスマン帝国からバグダードを奪い、ホルムズ島からポルトガルを駆逐した。

 イランサファヴィー朝全盛期のシャー(王)。シャー=アッバース、アッバース大帝とも称される。在位1588~1629年。
 初代のイスマーイール1世がチャルディランの戦いオスマン帝国の鉄砲で武装したイェニチェリ軍団に敗れていたため、アッバース1世は特権階級化したトルコ系騎兵集団のキジルバシュを抑え、イラン人その他を新たな常備軍に組織し、鉄砲を導入するなど軍備を整え、1623年にはアゼルバイジャンとイラクのバグダードを奪回した。

イスファハーンの建設

 1597年に新都イスファハーンを建設し、「王の広場」や「王のモスク」(イマームのモスク)などの大規模な建築事業を行った。また、貿易を奨励して「イスファハーンは世界の半分」と言われる繁栄を実現した。
 アッバース1世はアルメニア商人を新都イスファハーンに移住させ、中国、イラン、ヨーロッパの絹貿易を行わせ、さらにその中央集権支配体制のもとで官僚として登用してた。

ホルムズの奪還

 16世紀の初めから西アジアにもヨーロッパ勢力の進出が始まり、インド方面からポルトガルがホルムズ島に進出していたが、アッバース1世はイギリス東インド会社の協力を得て、1622年ホルムズ島のポルトガル勢力を駆逐した。
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書籍案内

前田弘毅
『アッバース1世
: 海と陸をつないだ「イラン」世界の建設者』
世界史リブレット 人
2022 山川出版社