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トラヤヌス

2世紀の初め五賢帝の2番目の皇帝。ローマ帝国の領土が最大となった。

 ローマ帝国の全盛期、五賢帝ネルウァに次ぐ二番目の皇帝。在位は98年~117年。属州ヒスパニアで生まれ、軍人として育ち、若くして軍団の指揮官となり、各地を転戦して人望があった。先帝ネルウァは元老院議員を務め、老齢でもあって軍隊に人気がなかったので、後継者に血縁ではないトラヤヌスを選んだ。トラヤヌスは皇帝に指名された時はガリアの戦線にいた。属州生まれでは初めて皇帝となった。在位98~117年。トラヤヌスには子供がなかったので、その下で従軍していた有能な軍人のハドリアヌスが軍隊に推されて後継者を名乗り、元老院が承認して皇帝となった。

トラヤヌスの外征

 トラヤヌスは内政では元老院の意を尊重し、もっぱら外征にあたり、106年にダキア(現在のルーマニア)を征服し属州とした。さらに114年から、すでに60歳を超えていたが、インドを目指して東方遠征に出発、パルチアの都クテシフォンを占領し、メソポタミア・シリア・ペルシア・アルメニアを奪った。トラヤヌス帝の時ローマ帝国の領土が最大となった。しかし老齢のためローマにもどる途中、117年、セリーノで64歳の生涯を終えた。

トラヤヌスのローマ造営

 トラヤヌスは歴代の皇帝と同じように、首都ローマの都市機能を整備し、また外征の勝利を記念して権威を高めるための建造物を造った。ローマの公共広場(フォーラム)にトラヤヌス広場を設け、その中心に「トラヤヌスの円柱」を建てて、ダキア遠征の勝利を記念した。また、大きな公共浴場(トラヤヌス浴場)を建設し、そのためにローマの水道を整備した。また建設以来500年経っていたアッピア街道を修築した。
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ノートの参照
第1章3節 エ.ローマ帝国
書籍案内

青柳正規
『皇帝たちの都ローマ』
1992 中公新書