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大陸間弾道ミサイル/ICBM

核弾頭を装備できる戦略兵器。1957年にソ連が実験に成功し、米ソ間の開発競争が始まった。

 核弾頭を装備し、ロケット推進により数千キロにわたる長距離を飛行させ、レーダー装置によって敵の中枢を攻撃する戦略兵器。Inter-continental Ballistic Missile 1957年8月にフルシチョフ政権下のソ連が実験に成功、アメリカに大きな衝撃を与えた。アメリカでも開発を急ぎ、核戦争の脅威が強まった。広島・長崎への原爆投下は、爆撃機に爆弾を搭載して目的地の上空で爆発させるというものであったが、ICBMは直接敵の中枢を標的にすることができるので、その戦略的意義は格段に強くなった。このような兵器を戦略兵器(Strategic Arms)という。米ソ両国はその開発競争に追い込まれたが、その際限ない競争は緊張を高めるだけでなく、両国の経済負担を重くし、しかも現実に使用した場合にお互いに破滅してしまうという認識が強まり、戦略兵器削減交渉(SALTⅠとⅡ)の動きがでてくる。
 一方で、ヨーロッパなど東西が直接対峙する地域ではICBMよりも飛行距離が短く、また固定型ではなく移動型(トラックなど)の発射装置をもつ中距離核戦力(INF)が開発されるようになった。1980年代には東西ドイツや中欧諸国にとって、この中距離核戦力の脅威が認識されるようになり、1987年に米ソ間で中距離核戦力(INF)全廃条約が締結された。
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ノートの参照
第16章2節 イ.ソ連の雪どけと平和共存政策