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ブリテン島/大ブリテン島/グレートブリテン島

ヨーロッパ大陸の西にある島。イングランド、スコットランド、ウェールズの三地域にかつてはそれぞれ独立していたが、現在はイギリス連合王国の国土となっている。

 ヨーロッパ大陸からドーバー海峡を夾んで横たわる大きな島で、西隣のアイルランドの北部と共にイギリスの本体を構成する。氷河期には大陸と地続きで、約6000年前に大陸から分離して島になった。この本当と周辺の島嶼を含めて大ブリテン島という。南西部の中心地域であるイングランドと、北部のスコットランド、西部のウェールズの三地域に分けられる。

ローマによる属州支配

 ブリテン島はローマのカエサルの侵入以前にこの島に居住していたケルト人の一派ブリトゥン人に由来する。カエサルは、前58~51年のガリア遠征の途中、前55,54年の2度、ブリテン島に侵入し征服を試みた。しかし、ブリトゥン人の抵抗を受け、また海峡をはさんで兵員と食糧を輸送することに困難があったことから、その支配は永続しなかった。
 カエサル後、ローマの侵攻は約1世紀間なかったが、ガリアがローマ化した影響を受け、その影響がブリテン島にも及んだ。ローマ帝国はクラウディウス帝の時、紀元後43年、組織的なブリテン島征服に乗り出し、属州としてブリタニアを支配することとなった。五賢帝の一人ハドリアヌス帝の時、北辺のケルト系のピクト人地域との境界線に長城を建設している。ソルヴェイ湾とタイン川河口を結び城壁が、ローマ帝国の国教となった。ローマ支配下の属州にはいくつかの拠点が築かれたが、その一つロンティニウムが、後のロンドンとして発展する。

ゲルマン人の侵攻

 ゲルマン人の大移動の波を受け、ローマ帝国はイタリア本土の防衛に専念せざるを得なくなり、409年に属州ブリタニアからも撤退した。その間、5から6世紀頃までに、大陸のユトランド半島付近からゲルマン人の一派のアングロ=サクソン人が移住してきた。圧迫されたブリトゥン人は島の辺境に追いやられ、さらに海峡を越えて現フランスに至り、その地がブリトゥン人の地(フランス語でブルターニュ)といわれるようになると、その地と区別して、この島の方を大ブリテン(グレート=ブリテン)と言うようになった。その中のアングロ=サクソン人が支配し、七王国を建てた範囲は、「アングル人の土地」の意味でイングランドと称されるようになった。

ノルマン人の侵攻

 またブリテン島には、10世紀からヴァイキングと言われるノルマン人の一派のデーン人が渡来し、1066年にはフランスのノルマンディ公国から侵攻したノルマンディー公ウィリアムに征服された。このように、ブリテン島には、ケルト人・ラテン人(ローマ時代)・アングロ=サクソン人・ノルマン人などの人種と文化が重層的に混じり合っている。

ブリテン島の統合

 大ブリテンは、南西部のイングランド(アングロ人の土地、の意味)・北部のスコットランド・西部のウェールズからなり、それぞれにイングランド王国、スコットランド王国、ウェールズ侯国が治める独立国であり、また言語・宗教・文化でもそれぞれ独自性を有していたが、最も生産力の豊かなイングランドが次第に有力となり、武力侵攻と同時に婚姻政策などを絡めながら統合を進めていった。
ウェールズ は1282年にイングランド王国エドワード1世が侵入、それ以後、皇太子がプリンス・オブ・ウェールズとされるようになり、1536年にはヘンリ8世によってイングランド王国に併合された。
スコットランド 同じくエドワード1世が勢力を伸ばしてきたことに激しく抵抗し、しばしば勝利している。14世紀からはスチュワート家が王位を継承していたが、1603年ジェームズ6世が、イングランド王位を継承して両国は同君連合となりった。このとき、それまで別個にあった国旗を統合してユニオン=ジャックが初めて作られた。ピューリタン革命期にはスコットランド情勢は革命に大きな影響を及ぼしていたが、名誉革命後の1707年にイングランドがスコットランドを事実上併合して大(グレート=)ブリテン王国となった。ここまででブリテン島の合同は形式的に整ったと言える。

「イギリス」と「ブリテン」

 本来「ブリテンの」を意味する「British」は、日本ではEnglish と同じく、「イギリスの」を意味しており、British Empire は「イギリス帝国」、Brithish Musiam は「大英博物館」となる。「イギリス」は本来、「イングランドの」を意味する English が、オランダ人を通して江戸時代の日本でイギリス全体を示す言葉として定着したもの。もっともこの国の言葉は、English =英語、という。そして、本国で使われている生粋の「イギリス英語」のことは British English (または、現在なら、Queen's English)という。ややこしい話です。 → イギリス  大ブリテン王国  大ブリテンおよびアイルランド連合王国
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ノートの参照
5章1節 キ.外敵の侵入と西ヨーロッパの混乱