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女性参政権/婦人参政権/男女平等選挙権

19世紀末のニュージーランドを始め、20世紀初頭に西欧に広がった。イギリスでは1918年に女性参政権(30歳以上)が認められ、28年に男女平等(21歳以上)となった。アメリカでは第一次世界大戦後の1920年に憲法修正19条として女性参政権が認められた。

 女性参政権運動は、18世紀からフランスで始まり、19世紀には労働運動・社会主義運動と結びついて運動が本格化した。世界で最初に女性参政権を認めたのは、1893年のニュージーランドであった。ついでオーストラリア(1902年)、フィンランド(1906年)、ソビエト=ロシア(1917年)、カナダ・ドイツ(1918年)などと続く。それに続いたのが次の諸国であった。
イギリス 30歳以上の婦人に参政権が認められたのは第4回選挙法改正の1918年であり、男性と同じ21歳以上となったのが第5回選挙法改正の1928年で、けして早くなかった。
アメリカ 12の州が1914年までに婦人参政権を認めていたが、アメリカ合衆国憲法の修正には至っていなかったところ、第一次世界大戦に参戦したことで女性の戦争への貢献も期待されるようになり、急速に気運が高まった。しかし上院の議決や各州の批准が遅れ、修正憲法19条が成立したのは、大戦後の1920年であった(下掲)。意外に遅かったことに注意しよう。
フランス フランスは男性普通選挙ではフランス革命での1792年9月に最も早く、そしてしばらく中断した後、二月革命で1848年の四月男性普通選挙で本格手にに実施した。また女性参政権の運動は早くから起こっていたにもかかわらず、フランスで女性参政権が実現したのは非常に遅く、ようやく第二次世界大戦後の1945年4月30日に婦人参政権が採択された。
 その他、女性参政権実施が遅かった主な国には、イタリア(45年)、ベルギー・イスラエル・韓国(48年)、中国(49年)、ギリシア(52年)、スイス(70年)などがある。 → 
日本 いわゆる「大正デモクラシー」の時期の1924年に市川房枝らが婦人参政権獲得期成同盟(25年に婦選獲得同盟に改称)を結成して運動を開始した。1925年に、25歳以上の男性に選挙権が与えられる「普通選挙法」が成立したが、婦人参政権は第二次大戦後の1945年12月の改正選挙法で実現し、満20歳以上の男女による平等な選挙制度となった。翌年4月の総選挙では婦人議員が39名当選した。ここで成立した新議会で日本国憲法が制定された。

アメリカの男女平等選挙権実現

 アメリカ合衆国では婦人参政権獲得運動の全国組織が結成され、1869年には初めて婦人参政権を与えるよう憲法を改正する提案がなされた。婦人達はまもなく主婦だけに座していては勝利は得られないと気づき、エリザベス・キャディ・スタントンなどの指導者は各州で婦人参政権を獲得しようという困難な道を選んだ。しかし、帝国主義熱がたかまり、遠方の属領の「われらの褐色の兄弟たち」に自由の恵みを与えようとする興奮がみなぎっていた時期には、その運動は進展しなかった。しかし、その好戦的な爆発が魅力を失ってくると、婦人参政運動は急速に成功を納め、1910年ワシントン、11年カリフォルニア、12年オレゴン、カンザス、アリゾナ‥‥とひろがった。男女平等の選挙権が認められた諸州でアリス・ポールとルーシー・バーンズの指導する運動は憲法修正に賛成する候補者を選び、共和党が賛成し、1918年議会に憲法改正を発議し下院で成立した。断固反対してきたウィルソン大統領も、アメリカの第一次世界大戦参戦のためには女性の協力が必要であると考えるようになり、それを支持するようになった。ようやく上院が1919年6月に可決、アメリカ合衆国憲法修正憲法19条として各州の批准を経て成立し、発効したのは1920年であった。<ビーアド『新編アメリカ合衆国史』P.378-380 などによる> 

出題 2011年 慶応大 商学部 第2問

 問8 欧米各国で女性参政権は次々と導入されていったが、アメリカ、イギリス、フランスで、女性参政権が導入された順番を記しなさい。。

解答   → 
解説   →